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第138話 硝子越しの想い15※
静まり返った室内に、自分と瑞季の熱を帯びた甘い吐息が満ちていく。
蠢く自分の指の間で、熱く脈打つ瑞季のペニス。自分の愛撫に素直に感じて、気持ちよくなってくれているのだと思えば、雄の本能としての愛おしさは増していく。
瑞季の身体は、男からの愛撫に慣れていた。
童顔な見た目やおっとりとした雰囲気とのギャップは、いじらしくて愛らしい。
「あっ……ああ……っん……ぁあっ」
胸の尖りを舐りながら、指で作った輪っかでじわじわと扱き続けると、瑞季の甘ったるい声は止まらなくなってきた。悶えながら小さな尻を揺すり、自分の肩に背中にぎゅっと爪をたてる。そのチリっとした痛みにも官能を煽られて、智也は息を荒らげて指の動きを激しくした。
「ああっんぅーっと、もくんっだめ……っも、だめぇ……っ」
「いきそう、かい? ……っいいよ、いっても」
瑞季はぷるぷると首を横に振って
「ま……って、だめ、智くん、の、ほし……っ」
切羽詰まった瑞季の言葉に、智也は指の動きを止めた。探るように瑞季の目を見ると、彼はくしゃっと目を細めて
「いっちゃうと、僕、飛んじゃう、から」
涙に濡れた瞳が切実に訴えてくる。智也は頷いて、いったんソレから手を離すと
「あ……じゃあ、ほぐさないと、だよね」
智也自身も熱く滾り、どうにもならないほど昂っている。腰にひっきりなしに走る甘い痺れを、さっきから持て余していた。
こくんと頷く瑞季の額にそっとキスを落とすと、智也は起き上がって、うろうろと視線を彷徨わせた。
今まで、この部屋で男の子を抱くようなシチュエーションはなかったから、当然ながらその為の準備は何もしていない。ローションやワックスなど、あるはずはなかった。
……あ……。オリーブオイル。
智也は思いつくと、キッチンに向かった。脚の間で反り返ったものが邪魔をしていて歩きにくい。ダイニングテーブルの脇を通り抜けようとした時、椅子の背もたれに引っ掛けた上着から、低くこもった振動音が聴こえた。
ハッとして歩み寄り、上着のポケットから携帯電話を取り出す。
開いた画面には……複数回の着信の知らせが表示されていた。
……っ。……祥……。
智也は息を飲み、留守電に入ったメッセージを再生した。
『……あ。もしもーし。智也? あのさ……えーと。いろいろ……ありがとな。んー。あのさ、俺、すっげー感謝してる。おまえ、いてくれてさ、ほんとよかった。……んーと。ま、それだけ。おまえに言っておきたかったっつーかさ。……んー。じゃ、またな。智也。……ほんと、ありがと』
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