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第8話 高校時代〜強制自慰〜
俺は重たい足を引きずって美術準備室へ向かった。
鍵は開いていた。中に入ると中島と、その他に4~5人の男子生徒がいた。
同じクラスのやつもいるし、他のクラスのやつもいる。中島が口を開く。
「わかってるな?」
「ああ。言うこと聞いたらちゃんとデータ返せよ」
「下全部脱げ」
「いきなりそれか……わかったよ」
俺はノロノロとベルトに手をかけ、前回とは違って自分から下着まで脱いだ。
「そのテーブルに座れ」顎をしゃくって指す。言われたまま座る。何する気だよ?
「脚開いてオナニーしろ」
!!!!!
「はあ!?」
なんだって!?
「やれ。やらないなら」
「……やる!やるから!!」
俺は股間に手をかけた。意味わかんねえ。何が楽しいんだよ。
いや、いじめだと良くあるやつ?
仕方なくゆるゆるとペニスをしごく。
男たちの視線が突き刺さる。
「おい真面目にやれ。勃たせろ」
中島は無表情で「出すまで終われねえぞ」と指示する。
こんな状況で勃起するわけないだろ。
クソ、クソ…!
強めに扱いてもなかなか勃たない。
ニヤニヤしやがってこいつら!
俺は屈しないぞ。俺より先にお前ら変態どもを勃起させてやる!
俺は「はぁっ」と息をついて、ちょっと恥じらうように脚を閉じた。予想通り「脚開け」と言われる。
そこからゆっくり、視線を惹きつけるのを狙ってせいぜいいやらしく見えるように脚をM字に開いた。
それを見て何人かが唾を飲み込んだ。
俺は目を瞑って手の感覚に集中する。
優しく撫で上げ、カリの部分から先っぽをくすぐる。それを何度か繰り返してから強めにしごく。
チラッと薄目を開けて覗くと手前の井上たちの股間が盛り上がっていた。
見てろよ。この場を支配してるのはお前たちじゃない。
緩急をつけてしごくと、濡れた音が響く。そうしたら今度はわざと響くようにめちゃくちゃにしごきたてる。
くちゅ、くちゅ、ぬちぬち…
「はぁ、はぁ、はぁ…」
後ろにいる中島が勃起しているかは見えなかった。
ただこちらから中島だけに視線を送る。
くちゅ、くちゅ…
目が合う。
俺はふと思いついて、いやらしく股間を扱きながら中島の名前を声に出さず口パクで呼んでみた。
(なかじま……なかじま……)
あいつは俺の口を読んで目を見張った。それまでの無表情が崩れ、瞳が揺れる。
動揺している。
俺は奴の目を見たまま誘うように舌で上唇を舐めた。
中島はとうとう目を逸らした。
勝った!
そう思った瞬間、下腹部がカッと熱くなった。急激に射精感が込み上げ、俺は精を吐き出した。
声だけは出したくなくて思い切り下唇を噛む。
「んんっ…」
目を閉じて男たちの前で快感に震えた。
あぁ…気持ちいい……
白濁は顔にまで飛び散っていた。
はぁはぁと息を吐きながら目を開けると、中島は部屋から姿を消していた。
急激に頭が冷え、「ティッシュ」と手前にいた知らない生徒に言う。
そいつは俺がいじめられてる側なのにも関わらず何の疑問も持たぬようにティッシュ箱を差し出してきた。
「何あほ面下げて見惚れてんの?ホモかお前ら?」
俺が身体を拭いながらそう言うと井上が「んだと!?」と詰め寄ってくる。
「中島もう出てったけど」
そう教えてやると井上たちは「おい、どうする」「行こうぜ」と言ってゾロゾロ出て行った。
扉が閉まると俺は細く息を吐いた。
緊張が解け、今更体がガタガタ震えてくる。
すぐに身支度を整えたいのに、手が震えてなかなかうまくベルトが出来ないくらいだった。
今日はなんとか気丈に振る舞えたが、今度こんなことがあったらもう耐えられないかもしれないと思った。
「ふ…うぅっ」
涙が溢れた。いくら強く手首を握っても震えは治らなかった。
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