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第22話 女王様のレッスン(2)
「君は知らない女の人の夢を見たことはないか?」
賀茂さんが聞いてきた。
「知らない女の人?…ああ、それなら長いこと寝ていてようやく起きた時に女の人の夢を見ました」
「どんなだった?」
「それが、顔がよく見えなくて…何か言ってる気がしたけど声も聞こえなかったんです。森の中で、小川が流れていて…」
「ああ、糺の森 か」
「ただすのもり?」
「下賀茂神社にある森だよ」
「へぇ。それで、急に手を引っ張られて転びそう!って思った時目が覚めたんです」
「なるほどね。素晴らしい。やはりそうだったか」
また1人でぶつぶつ言ってる。
「よし、続けよう。目を逸らさないで、相手の目をジーッと見るんだ」
俺は言われた通りにする。
「よろしい、では目を閉じて」
また素直に応じる。
唇にふと何かが触れた。
俺は少しだけ目を開け、賀茂さんとキスしてるのに気付いて目を見張った。
「ぷはっ!な、何するの!?」
「まだだ、ちゃんと集中しなさい」
「んむ!」
また口を塞がれる。
「んっんんっ」
キスしたことなんてないのに、いきなり湿っぽくていやらしい吸い方をされ頭の奥が痺れてくる。
「はぁ、はぁ…」
口が離れたときに必死で息継ぎをする。
「なるべく相手の目を見るようにして」
「は、はい…んんっ」
俺は言われた通り賀茂さんの目を見つめる。細面で、スッキリした顔立ち。
目は少し灰色がかった黒。
ちゅ、ちゅ、と唇を吸われてだんだん気持ち良くなってくる。
胸のあたりがじわじわと熱くなる。
「んむっ」
賀茂さんの舌が俺の口を割って侵入してくる。こんなこと嫌なはずだけどそこまで嫌じゃない。
これはレッスンなんだから仕方ないんだ…
鼻から抜ける自分の声や、唾液に濡れた水音が耳に入るのが恥ずかしい。
でも、気持ちいい…
何なんだ?胸の奥が本当に熱くて苦しい。
「ああ、熱いよ…くるしぃ…」
「それでいい。思った以上だ。実に素晴らしい威力だ。無防備に受けたら俺でもひとたまりもないな」
賀茂さんは俺の目を覗き込んで言う。
何言ってるの?
「正臣 さん、俺苦しいよ」
この時点で既に、俺は賀茂さんのことを下の名前で呼ぶように言われていた。
仕事の都合で賀茂の名が外に出ない方が良いらしい。
「ああ、すまない。初めてなのにあまりにも上手いからついやりすぎたな」
「はぁ、はぁ、上手いって、キスが?」
そうは思えないんだけど。
「いや、そうじゃなくて誘惑の力…なんていうか、フェロモンみたいなのを出すのがだよ」
「誘惑の…フェロモン?」
「そうだ。君の血筋が受け継ぐ力の一つだ」
なにそれ。よくわかんないけど、とにかく熱くて仕方がないんだ。
「はぁ、はぁ、正臣さんそんなのいいから熱いのどうにかしてぇ」
「おいおい、亜巳くん大丈夫か?コントロールを完全に失ってるな」
「正臣さん…んっ」
僕は知らぬ間に欲情して勃起していた。
「記憶が消えるわけじゃないから後のことを考えると自分で処理した方が良いんだが…」
俺はもう、この熱いのをどうにかしてくれってことしか考えられなくなっていた。
何かいい匂いがする。お香?わからない。
「良いから正臣さんがやってよぉ」
そう言って腰を振り、賀茂さんの太ももに自分の股間を擦り付ける。
「お願いだからぁ…あんっ」
「はぁ、仕方のない子だ」
賀茂さんはそう言うと俺を抱えてベッドに寝かせた。
上に覆いかぶさり、キスしながら股間に手を伸ばす。
優しくさすられるが、もっと強い刺激がほしい。
「正臣さん、もっとぉ。ちゃんと触って…」
俺がねだると賀茂さんはズボンを脱がせて下着の上から触ってくれる。
先走りですでに下着は湿りかけていた。
舌で口の中を舐られながら、ペニスを布越しにしごかれるのがたまらなく気持ち良い。
「はぁ、はぁあんっ、熱いよ…熱い…」
「大丈夫、出したら治まるよ」
普段とは違う甘い響きのある声で賀茂さんが囁く。
耳に息がかかるのも気持ちがいい。
もっとめちゃくちゃにしてほしい。
賀茂さんは下着も脱がせて直接触ってきた。
「ああぁ!いい!それもっとしてぇ」
俺はあられもない声を上げて善がる。
ペニスはもうベタベタで、賀茂さんの手の動きに合わせて滑ったいやらしい音がする。
賀茂さんは続いて俺の垂らした先走りを指ですくうと、後ろの穴に塗りつけてきた。
頭が沸騰していて、それがおかしいことだとも思わずに俺はただあえいでいた。
ゆるゆると肛門の入り口を撫で回され、とうとう指が中に入ってきた。
未知の感覚にゾワッとするが、それにすら感じてしまう。
痛いような、気持ち悪いような…でもその感覚が俺は嫌いじゃないと思った。
「ああんっもうイキそう…正臣さんっもっとして!」
「亜巳、目を開けて私を見るんだ」
俺は言われたとおりに賀茂さんの目を見る。
男が欲しい、入れて。
何故かそんな言葉が頭をよぎった。
「はぁ、正臣さん…ああ、きもちいいよ、もう俺…」
「いいよ。出しなさい」
「ああぁ!出ちゃう!んっんんっ!ああ…」
賀茂さんにしがみついたまま俺は彼の手の中に吐精した。
この後正気に戻った俺が羞恥で死にそうになったのは言うまでもない。
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