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第24話 はじめての奴隷と対面
ある程度俺の準備が整ったのでいよいよ今日ははじめて「お客様」を呼んでの実践SMプレイが行われる。
衣装は、初女王様なのでボンデージにした。
胸下までのビスチェはコルセットのように背中側にリボンがついていて体に添うようにギュッと締め付けられている。
胸は丸見えなデザインだ。俺は男だから別に胸なんて見せてもいいんだけど、あえて胸だけ隠れてないのはなんとなく恥ずかしい。
下は布が本当に少ない、ギリギリ性器が隠れてる程度のメンズショーツ。そして足元ははじめてで転んだら嫌なのでニーハイブーツにした。ビニル性で、足にピッタリと張り付く。安定感抜群。
よし!気合い入れるぞ。
準備して、部屋で待つ。
何この待ち時間。そわそわするよー。
会ったことない人にいきなりこの姿晒すのって考えてみたらめちゃくちゃ恥ずかしくないか?
どんな人かな。
脂ぎった禿げのおじさんだったらどうしよう…
ちゃんとできるかな。
え、待てよ、相手って服着てくるかんじ?
俺だけこの格好?
どどど、どうしよう、だめだ無理!
あ、そうだ。たしかバスローブあったよな!
俺は慌ててバスルームに駆け寄ろうとした。
そのとき、ガチャっと音がして隠し扉が開いた。
「あ…っ」
立ちすくむ俺の前に、「お客様」が歩み寄ってきた。
「はじめまして…!お会いできて光栄です。亜巳様…」
その男性は20代前半くらいに見えた。
俺は咄嗟にどうしていいかわからなくて、まごついてしまった。
すると男性の後ろから賀茂さんが入ってきた。
「亜巳くん?はは、初めてで緊張してるんだ。こちらは坂本くんだ」
「は…はじめまして」
やっぱり、坂本という人も賀茂さんも普通に服を着ている。
俺だけこんな格好で恥ずかしくて賀茂さんの後ろに隠れる。
「あ、あの…バスローブ着ようと思ったら、ふたりとも入ってきちゃったから、その…」
「何だ?恥ずかしがってるのか。いいんだよこういうものなんだから、慣れてくれ」
「はい…」
賀茂さんは笑っている。
俺にとっては笑い事じゃないんだよ!
せっかく隠れたのに賀茂さんは俺の背中を押して坂本さんの目の前に立たせる。
坂本さんは、近くで見るとめちゃくちゃ背がデカい。
しかも全身筋肉がしっかり付いてる。
スポーツやってる人?
顔立ちは整っていて、強面なのだが今は人懐こい笑みを浮かべている。
「坂本です。ずっとお会いしたかったんです。写真で見るよりずっとお綺麗でびっくりしました。これから蹴ったり殴ったりしてもらえるなんて…夢みたいだ」
「へ…?」
「あ、俺のことは坂本でも犬でもなんとでもお呼び下さい!」
「な、なん…?え、いぬ?」
俺が混乱してると賀茂さんが吹き出した。
「坂本くんは君の写真を見せてからずっと会いたいって言い続けてたんだ。君に虐めてもらうのを心待ちにしていてね。まぁ、ファン第一号ってとこかな」
「はぁ…?」
「私の親戚筋の信用できる子だから安心して今日は実習させてもらいなさい」
「あ、あの、今日はよろしくおねがいします」
俺は頭を下げた。
「亜巳くん、始まったら奴隷に頭を下げるのはやめてくれよ」
「あ!そうだった、すいません」
「亜巳様、金輪際俺ごときに頭なんて下げなくていいですからね!」
この人って生粋の奴隷体質なの…?ちょっと変わった人だなと思った。
そして、彼が世界的に活躍している格闘家だと教えられた。
俺はあまりそういうのに興味がなくて知らなかった。
「すいません、知らなくて」
「いいんですよ!俺のことなんて知らなくて。それと、敬語やめてください。俺のほうが年下なんで」
「え!そうだったの!?」
「はい。俺22歳なんで」
「そうなんだ…」
ガタイよくてごついから年上だと思ったんだけど年下だと知ってちょっとホッとした。
よかった、最初の客がハゲオヤジじゃなくて。
「よし!じゃあ始めよう」
賀茂さんがそういって手を叩いた。
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