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第34話 ブレイクタイム

無事井上を下僕にした俺は坂本と共にタクシーに乗り込んだ。 車窓からビル街を眺め、俺はため息をつく。 「亜巳さん疲れた?帰ったら風呂入りましょう」 坂本は一応他人の前だと「様」じゃなく「さん」づけで呼ぶようにしているらしい。 「え?でも今シャワー浴びたよ?」 「お湯に浸かったほうが疲れ取れますよ」 「そっか…うん…」 たしかにそうかもしれない。 本当は疲れていてそのままベッドに行きたいくらいだったが。 坂本がタクシーの運転手に聞こえないように耳元で囁く。 「元気ないね?俺、洗いますから」 「え?いいよ、そんな…」 「俺が洗いたいんです」 「じゃあ俺が坂本洗う」 「やった」 運転手に聞こえているかもしれない。でもまあいいか。 女だと思われてるかもしれないし。 あ、でも坂本って有名人だっけ。まずいかな? 俺はよほど疲れていたのか、帰り着くまでの10分少々という短い時間で眠ってしまっていた。 到着して坂本に揺り起こされる。 「あ…うそ寝てた俺?」 「疲れてるんですよ」 帰宅すると賀茂さんが鍋を作って待っていてくれた。 俺が辛いもの好きだからキムチチゲだ。 「わ~美味そう!」 緊張して夕飯を食べられなかったので急に腹が減ってきた。 賀茂さんは何も言わずに食事の用意をしてくれて、皆で一緒に食べた。 辛いものを食べて汗を流したらちょっと元気が出てきた。 「さ!お腹いっぱいになったから風呂行きましょう」 「お湯沸いてるからすぐ入れるよ。行ってきなさい」 「はーい」 賀茂さんの家の風呂場は男二人で入っても充分な広さがあった。 先に坂本が俺の身体を洗ってくれる。 背中をゴシゴシしてもらって、はーっとため息が出る。 「坂本も疲れてるのにごめんね。付き合わせて」 「なに言ってるんですか。俺にとってはこれが癒やしなので。ご褒美っす」 「え~?逆じゃん。俺が癒やされてるのに」 「亜巳様にとって俺、癒やしになってます!?」 「当たり前じゃん。めちゃくちゃ癒やされてるよ」 そう言うと坂本はすごく嬉しそうだった。 今度は俺が坂本を洗う。 広い背中で羨ましい。 泡を洗い流して湯船に浸かる。 向かい合って座ろうとしたら、坂本が腹に腕を回してきて、抱えられる。 バックハグみたいな状態で座った。 「座椅子と思って下さい」 「なにそれ」 俺は吹き出した。 そしたら坂本が俺の性器を掴んだ。 「あっ…おい、そんなことする座椅子があるかよ。ああっん」 「マッサージチェアだと思って下さい」 「やだ、あっはぁ、はぁ…ん」 疲れてるからもう抵抗する気も起きない。 大体、坂本とは散々練習のときにぐだぐだになってるのでもう羞恥心とかいうものが無くなっていた。 自慰してるみたいな? 「あぅ、ひっそこ気持ちいい…あんああっいや…」 坂本が肛門に指を当ててくる。 「指いれてもいい?」 「あ、だめ…」 「それはのだめ?」 「バカッ、ああっ!」 勝手にちょっとだけ指を入れてくる。 「嫌だって、そんなの気持ちよくない…」 「嘘だよ。亜巳様ぜったいここで気持ちよくなれるから俺にさせてよ」 「ダメ、本当にそれはだめぇ…」 それオッケーしちゃったらもう、なんか戻ってこられなそうだから嫌なんだよ。 「ちぇ~。いつか俺のコレ入れさせてくれる?」 「だめ、絶対だめぇ!ああっ」 俺の尻に、デカくなった坂本のアレが当たっているのだ。 こんなの入れるなんて冗談じゃない! 「可愛いなあ、腰揺れちゃってるじゃん。なんでダメなの?勿体無い」 「勿体無いってなに…あん」 「自覚無いの本当にたち悪いなぁ…ほら、イッていいよ亜巳様♡」 俺の弱いところを集中的に擦られ、後ろもぐにぐにされて俺はあっけなく射精させられた。 坂本の手淫は的確で、負担もなくて本当にマッサージみたいで気持ちいい。 俺はそのまま眠ってしまった。

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