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第35話 次はお前だ
最初のターゲットを調教してみてわかったことがある。
あのいじめに関わった奴らを痛めつけて服従させればスカッとするだろうと思っていた。
だけど、なんだか疲れただけでちっともスカッとしなかったのだ。
相手が雑魚の井上だったからなのかはわからない。
しかし、目的を遂げるため、とにかく続けるしかない。
井上が手駒になってので、予定通り次は井上を使って中島を攻めていく。
初めて経歴書を見た時、中島のあの後の変化に俺は驚いた。
俺が死んだ後すぐに中島はバスケ部を辞めていたのだ。そして急に猛勉強して、一浪の末某大学の医学部に進学していた。
だが、卒業はしたが医師にはなっていない。大学時代にジュ○ンボーイのコンテストで準グランプリに選ばれてそのまま芸能界入りしていた。今は俳優として、そこそこ人気もあるらしい。
俺は地上波はほとんど見ないので、生き返った後も中島がテレビに出てるなんて知らなかった。
あいつがなにをしたいのか経歴書を見る限りよくわからないが、ムカつくことに顔だけは確かにアイドル並みに良かった。
俺に対するいじめは最低だったけどな。
そんな奴がのうのうとテレビなんかに出てチャラチャラしてるなんて腹が立った。
お前なんて、これから俺が調教して人様に顔向け出来なくらいデロンデロンにしてやるからな!
よし、ちょっとやる気出てきたぞ。
坂本と打ち合わせてどうやって中島をおびき寄せ、お仕置きしてやるかを決める。
井上に飲みに行くとかなんとか適当に誘わせればいいのだが、それだけだと面白くない。
俺は中島のスケジュールを把握し、計画実行当日より前からじわじわ嬲るように追い詰めてやろうと思いついた。
あいつは俺のことを死んだと思っている。
だから、あいつの前にチラチラと俺が姿を現してまるで幽霊でもいたかのように見せかける。
そして恐怖がピークに達したとき、俺が現れてあいつを懲らしめるという作戦だ。
そのためには芸能人である中島のスケジュールを把握する必要がある。
しかしこれは簡単で、中島が所属している芸能事務所の社長がうちの常連だった。
そこで、うちのスタッフが同級生なので中島にサプライズを仕掛けたいからこっそりスケジュールを教えて欲しいと賀茂さん経由で頼んでもらった。
社長は快く中島のこの先1~2ヶ月のスケジュールを今分かる範囲で詳しく教えてくれた。
急に変更になることもあるからと念は押されたが、当日以外はただ姿を見せるだけでいいので、別に会えなかったら会えなかったで良い。
俺は中島の怯えた姿が見られると思うとちょっとわくわくしてきた。
井上のときはいきなり部屋に呼ぶところから始めたから面白くなかったのかもしれない。
もっと趣向をこらせばよかったかな?
遊んでる場合じゃないんだけど、俺にだってちょっとくらい楽しみがあったっていいよね。
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