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第41話 次のターゲット

というわけで中島も下僕に加わった。 今回俺の力は出る幕が無かった。(力どころか結局俺は何もしていない) 中島は俺の事故後、人工呼吸で一度息を吹き返した俺を見ていた。 その後俺が死んだことになって、違和感を覚えた。 俺の死のショックもあり中島はバスケ部をやめて、疑問を解決すべく猛勉強の末医学部に進学した。 最初から医者になるつもりではなかった。俺の死が妥当かどうかを確かめたかったのだ。 そして自分の疑問が解決してやはり俺の死がおかしいと分かったのでそこで医師になるのはやめたという。 そしてその後俺の死について調べるなら、警察ではダメだと考えた。 死亡診断書を偽造できる人間が関わっているなら、警察官になどなっても無駄だからだ。 そこへジュ◯ンボーイのコンテスト応募を勧めてきた女子学生がいた。 中島は、芸能界に入れば様々な業界に関われると考えてコンテストに応募しそのまま芸能界入りした。 そして俺の死について、生きているのならばどこにいるのかなどを8年間調べ続けていた。 なんと中島はSM倶楽部Salomeの存在にまで気づいていたという。こちらから出向かなくても、遅かれ早かれ中島の方から俺を見つけ出していたかもしれなかった。 これらを全て聞いた上で俺は「だからあんなメチャクチャな経歴書になるのかぁ」と納得した。 いじめの主犯であり、俺を追い詰めて死に至らせた人物が8年も俺を探していたとは。 俺は最後にカメラで猥褻動画を撮ろうとした件は許しがたかったので問いただした。するとこう答えた。 「あの時本当はUSBを返すつもりだったんだ。だけど、仁乃から聞いた話が本当だと知って俺は嫉妬で前が見えなくなって…気付いたらあんなことしてた」 これを聞いて俺はあー、#勢夜陀多良比売__せやだたらひめ__#の影響で異様に俺に執着することになったんだろうな。と思った。 襲われ体質な姫様の影響をモロに受けている俺はこの頃はそんなこと知りもしないので無防備だった。 しかし今は違う。 俺はこの体質も武器にして、下僕を増やして復讐を遂げるのだ! 次は、仁乃と阿久津。 そう思っていた。正直俺は仁乃に対する復讐心が一番強い。 井上や中島には怒ってはいたものの、若気の至り感がまだあった。 しかし、仁乃の奴は完全に頭がおかしいサド野郎で間違いない。 それに加担して涼しい顔をしていた阿久津もおかしい。 これを坂本たちに話したところ、仁乃と阿久津は最後に回すべきだと言ってきた。 おそらくSMにおいての熟練度は仁乃の方がはるかに上なのだ。 高校時代であの仕上がりだったことを考えるとあれから8年経った今、仁乃の異常なサド気質がどう成長しているか計り知れない。 中島はその後も極稀にだが仁乃に会っていた。 その中島も、仁乃は後にして小山田を先に片付けようと言ってきた。 俺は渋々だが、仲間の言うことを素直に聞くことにした。 8年ぶりに小山田と対面するのだ。

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