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第7話

遊馬は一度部屋に戻り着替えを済ませてから、改めて辰巳の部屋を訪れた。 「さぁ、行こうか。」 辰巳の車に揺られ、おしゃれなカフェに連れて来られた。 目の前に座り、パスタを口に運ぶ辰巳を眺める。 「なんか、かっこいいですね。」 そんな言葉が思わず口から出てしまい、慌てて両手で口を塞いだ。 「はっはっはっ、中々言われないから嬉しいよ。」 そう答えながら、少し遠くへ視線を流した。 ────────────────── いつかの夏の日 友人の子供が姿を消した。 彼は"アイス"と呼ばれる者だったようだ。 彼の両親は何年も必死に行方を追っていたが、数年前に事故にあい2人とも亡くなった。 運命のジュースに出会ったアイスは消えてしまうなど、おとぎ話だと思っていたのだ。 目の前で、級友が消えてしまうまでは。 その日から、辰巳は恋愛が出来なくなった。

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