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第8話

遊馬と食事をした日、久しぶりに級友の事を思い出した。 消えてしまった"アイス"には、墓すら用意されないことも多い。 彼女の場合もそうだった。 遊馬とは食事を共にしてから、何度かプライベートで会うようになっていた。 少しずつ彼の素性も分かってきたところだ。 「おはようございます。」 連日の考え事でぼんやりしながらも、出勤の為に外へ出ると遊馬に声を掛けられた。 顔を上げ、辰巳も挨拶を返す。 「おはよう。お前もバイトか?一緒に外まで行こうか。」 「はい!」 2人で階下に降り、エントランスで別れた。 辰巳はもう何年も縁の無かった感情が、少しづつ自分の心に芽生え始めているのを感じていた。

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