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第9話

1ヶ月先に迫った辰巳の誕生日、遊馬の方から予定を空けて欲しいと頼まれた。 「誕生日か…もう祝うような歳でもないな」 苦笑いしながらも、空けておくと伝えた。 せっかく何か考えてくれているのだから、楽しみにしておこう。 遊馬を拾ってから、すでに半年が経っていた。 まだ、恋愛に対する恐怖が消えたわけではないけれど。 少しずつ前向きに考えてみようと、思い始めている。 『好きだ。』 怖気付いていた辰巳の心を、少しずつ溶かしてくれたのは間違いなく遊馬だ。 その日になったら伝えよう。 辰巳は彼が"アイス"ではなく、自分も"ジュース"ではないことを強く願った。

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