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第10話

辰巳に、誕生日は予定を空けておいてほしいと伝えた。 1日過ごすプランを何度も何度も練った。 申し分の無いプランが出来たと思う。 やっと、想いを告げる覚悟が出来たのだ。 冴木遊馬は"アイス"だ。 ジュースの人間を、見分ける術はない。 もし、彼が運命のジュースだったとしたら…… 辰巳が受け入れてくれたら、遊馬は消えてしまう。 なんとなく分かっていた。 それは、自分がアイスだからなのかもしれない。 だが半年彼の近くで過ごした事で、それも厭わないと思えるようになっていた。 『好きです。』 彼の誕生日に伝えよう。 たくさんのありがとうと、自分の気持ちを。 彼がジュースではないという、ほんの僅かな期待を胸に。

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