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第16話***
カーテンの閉め切られた薄暗い部屋で、湊先生の袖にしがみついていると、何と勘違いされたのか、「大丈夫だよ」と言われて、一本ずつ丁寧に指を解かれた。そして僕を俯せに寝かす。そこへ湊先生が覆いかぶさる。背後から強く湊先生のにおいがして、からだ中で体温を感じられて、頭がくらくらする。
首の、革製の首輪に沿って何度もキスを落とされる。かと思うと舐められる。くすぐったいような、じりじりとした甘い刺激が湊先生からもたらされる。堪らず僕は身を捩った。
「せんせ、」
上擦った声で先生を呼ぶ。湊先生に触られるところ全部が気持ちいい。
「せんせ、好きです」
頭がぼうとして上手く働かない。ふわふわとして覚束ない手先で、僕は首輪の金具をいじる。僕の首輪が緩むのを見て、湊先生が止めてきた。
「それは外さない、って約束」
そう言いながら、先生は汗で額に貼りついた髪の毛を剥がしてくれる。
「僕はせんせとつがいになりたいのに」
どんなにお願いしても、「うん」と言うばかりで、先生は聞いてくれそうにない。代わりに手のひらは優しくからだの線をなぞっていった。そんな甘い刺激さえも下腹部で熱になる。もうぐちゃぐちゃだろう下着が、きっとまた汚れる。そうはわかっていても、太もも同士を擦り合わせるのをやめられない。
湊先生が「つらい?」と訊いてくるので、僕は素直に頷いた。
それを確認すると、先生の手は僕の黒のパンツに手をかけた。脱がせやすいように腰を上げると、下着ごと取り払われる。
「うわあ、ぐちょぐちょだね」
よくがんばりました、と湊先生が僕の耳元で囁く。柔らかな声が気持ちいい。
「ん……っ」
鼻にかかった声で返事をする。
「一回出しちゃおうか」
湊先生の大きな手のひらが僕の小振りな性器を刺激する。
「ひぁ……っ」
はじめての他人からの強い刺激に、それだけで僕は先生の手のひらを汚してしまった。「あ、ごめんなさい……」はくはくとした呼吸の合間に謝ると、「いいよ」と言われる。
ティッシュで手のひらを拭うと、先生は僕のTシャツも脱がしてしまう。さすがに全裸をまじまじと見られるのは恥ずかしいはずなのに、ずくり、と下腹部にまた熱が溜まる。湊先生はそれを見て苦笑した。僕は顔が熱くなる。
また湊先生は僕の首すじに顔をうずめる。何度もにおいを嗅いでいるようだ。
「遥くんのフェロモン、とってもえっち」
そうなのだろうか。自分ではわからない。言いながら先生の右手が僕の肩を撫で、胸を撫でる。乳首を見付けると、それを指で抓んだり、潰したりする。
「は……ん、ん」
ぴりぴりとした刺激は、下半身に熱を伝える。こんな感覚、知らない。
「遥くん、いい子」
メタルフレーム越しに目を細めて、先生は褒めてくれた。それから先生は性急に自分のシャツのボタンを外していった。僕の素肌と湊先生の素肌が触れる。僕は湊先生のにおいを胸いっぱいに嗅いだ。
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