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第17話***
僕のヒートは愛撫だけでは一向に収まらなかった。湊先生の大きな手のひらが、僕のまだ幼さの残る骨格の腰のラインをなぞる。ゆっくりと手のひらは尻の方へ移動していき、そして湊先生の骨ばった指は僕の後孔を探し出した。つぷ、と指先を押し込むだけで、淫猥な水音が立つ。
「もうちゃんと濡れるんだね」
先生の指が容赦なく奥まで挿ってくる。異物感を感じるのに、同時にようやく気持ちいいところを触られてあられもない声を上げる自分がいる。
大人の指で解されると、押し込まれる指の本数が急に増えて、僕は「あ、あ……っ、せんせ……っ」と言いながらまた達した。
「せんせい、も、挿れて……」
生理的な涙の浮かんだ目で僕は湊先生に哀願する。湊先生は困った顔をした。
「遥くんはまだ子供だよ」
そう言いながら先生の指は僕の後孔を押し拡げていく。「あ、あ……っ」
「や……あぁ、せんせいが、欲しいの」
指だけじゃ足りない。
「遥くん、そういうことは軽率に言っちゃだめだよ」
そう応える湊先生の呼吸も荒い。
「今はヒートの最中だから、そんな気がするだけだよ。これで我慢して?」
ぐちゅぐちゅと、先生の指が音を立てて後孔を出入りする。「あ、や……ぁ」これで我慢しろなんて、頭がおかしくなりそうだ。
「ぼくは……せんせぇと、つがいに……、なりたいん、です」
途端に、はあ、と湊先生が大きく溜め息を吐いた。
「僕もね、すごく我慢してるんだよ。遥くんのフェロモンはえっちだし、なのに遥くんは煽るし」
一度天井を仰いだ先生は、また僕のからだを俯せに寝かした。背後でベルトのバックルを外す音と、衣擦れの音がした。
「最低限、避妊はするから、嫌だったらすぐに言うんだよ」
僕の頭はぼうとしていて、湊先生の言葉の半分も理解していなかった。ただ濡れた後孔に先生自身を押し当てられて、ようやく満たされる、と思った。
「あ……、あ、あっ、せんせ……っ」
無意識に湊先生から逃げようとする僕の細腰は掴まれて、ひと息に押し込まれる。
「ひ……っ」
「遥くん……っ、きつっ」
お腹の奥深くまで先生のものを押し込まれて、僕は強い異物感と同時に快楽を感じた。
「あ、あ、……あっ」
なんだかよくわからない内に、性器からとろりと液体を出していた。
「……動くよ」
湊先生からからだを離そうとする僕を、引きずり戻して無理矢理抽挿をする。
「あ、あんっ、……あっ、せんせ、はげし……っ」
「遥くん……」
余裕のない湊先生の声を背中越しに聴く。何度も首輪越しにうなじを舐められた。代わりに肩や背中を噛まれる。そんな痛みも快感となって、僕のからだを伝う。
「ひ……、あ、ぁああ……っ」
からだの奥を抉られて、僕はこれで何度目か達した。腹の中が締まって中で湊先生も吐精する。
「あ、あ、せんせ、好きです、キスして」
まだ荒い呼吸のまま、僕はお願いをする。避妊具の始末をしながら湊先生は「それは、本当に好きな人としなさい」と言って、僕の頬を膨らませた。
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