「ん、あ……っ、あっ」 　お腹の中が湊先生で埋まる。出ていくと、ちょっと寂しい。でも寂しいを伝えようと口を開く頃には、また入ってくる。だから僕の寂しい気持ちは湊先生に届く前に、意味をなさない音になって消える。 　ただ満たされるのと引いていくのが繰り返される。気持ちいい。頭の中が気持ちいいでいっぱいになる。シーツを掴む手指にちからが入る。 「ああ……っ」 　僕のからだが小さく痙攣する。足の指がきゅっと丸まる。僕のお腹に、もう大分薄くなってきた精液が飛ぶ。 「……っ、遥くん」 　湊先生に名前を呼ばれても、僕ははくはくと呼吸を繰り返すばかりで、返事もできない。 　大きく開いた僕の両脚の間にいる先生が、僕の上に覆い被さってくる。汗で額に貼りついた僕の前髪を、大きな手で摘まんでくれる。僕の目の焦点が湊先生に合うと、先生はさっきよりもちょっと柔らかな表情になる。そしてまた僕の首すじに顔をうずめてきた。そろそろ首がふやけてしまう程のキスをしてくれる。 　先生が満足するまで、大人しく首を舐められている。そんなに気になるのなら、こんな革製の首輪なんていくらでも外すのに、と僕は思う。けれど外さないことが、湊先生との約束だった。 　湊先生の大きな手が、今度はまだシーツを握りしめている僕の指を解いていく。 「遥くん、手はこっち」 　そう言って、僕の腕は湊先生の首に回された。 「……動くよ」 　僕がしっかり掴まっているのを確かめて、湊先生は僕に言う。こくこく、と頷くと、「遥くん、いい子」とまた頭を軽く撫でられた。 　すぐに抽挿が再開する。律動に合わせて、くちゅ、くちゅ、と水音が僕の脚の間から聞こえてくる。 　また満たされることと、ちょっと寂しいの繰り返しだ。 「ふぁ、ぁ……っ、あ……っ」 　お腹がいっぱいになるたびに、段々と声が上擦っていく。また気持ちいいが頭の中に溜まっていく。堪らず僕は湊先生の首にぎゅっとしがみついた。 「みな、とせんせ……っ」 　息を吸うと、湊先生のにおいがした。嬉しくて、胸がいっぱいになる。もうわけもわからなくなってきて、僕は湊先生を呼んだ。 「うん、遥くん。ちょっと我慢して、ね……っ」 　言い終わるかどうかのタイミングで、抽挿が激しくなる。 「ひゃぁっ、あっ、あっ、……それ、むり……ぃ」 　さっき達したばかりなのに、僕のからだはまた懲りずに反応する。きゅぅとお腹の中の湊先生を締めつけて、また精液を吐き出した。 「遥く……ん、きつ……っ」 　お腹の奥で湊先生が、とくん、と脈打つ。