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第124話
力の抜けてしまった身体は、法月の動向を伺うばかり。
彼の視線は俺の目から外れると、指先で触れた後孔へと定まった。
「ココで、感じたんですか?竹内さんは。
昨日……どこまで行ったんですか。本当に覚えてない?僕に気を遣ったわけではなく?」
穴の周りをカリカリと引っ掻く法月に、俺は必死に頷く事しか出来ない。
刺激に耐えられず、執拗にソコばかりを撫でる法月の手に自分のそれを重ねてみるも、その後どうすべきなのかはわからないままで。
「のりっ、づ…き、それ辞め…っ。ダメだ、てぇ…。」
「引っ掻くのが嫌なら、いっそ入れてしまいましょうか。……きっと、気持ちよくなれますよ。昨夜の出来事を身体が覚えているでしょうから。」
「あ、ぁあッ……ひぇ、えう…!」
爪の形すら美しい、マイナスのつけようもない骨ばる指が
ゆっくりと、ナカへと沈み込んでいく様を
ただ、眺めた。
「あぁ、あの子ちゃんとローション使ってくれたんですね。まだ少し残ってますよ…。」
俺は何をされているんだ。
脚を痛めていて、逆上せてしまったのを理由に部下を利用し楽をしようとして、それで…?
本当は、法月は怒っていたんだ。そうに違いない。
これは俺に対する仕打ち。俺が嫌がる事をして、鬱憤を晴らしているに違いない。
「アッ…ぅん、んっ……ひぎゅ…、」
「前立腺、見つけました。
知ってますか?男はここが一番弱いんですよ。」
「ぁだ、め…もぅ……っ、ふう、!」
たったの指一本で、昨日の快感が簡単に蘇る。
覚えている箇所は繋がらないのに
ワンシーンずつを切り取られたかのように断片的で、出来事として語るにはあまりにも曖昧すぎるのに。
気持ちいい
そう思った事だけは、確かに脳に焼き付いている。
だから止められない。嫌だと突き放せない。
こんな、中途半端じゃ……
一番苦しいって、知っているから。
「の、りぢゅ…きぃ……っあ、らめ…。」
「快楽に弱い所も…正直堪らない、です……けどッ。」
「ンんっ、くぁ…。」
その時、内壁を抉り、掻き乱していた法月の指が
ちゅぽんと音を立てて後孔から抜き去られた。
触れられてもいないのに半勃ち状態の自身は、期待外れだとでも言いたげにしゅんと勢いを失っていく。
放心状態の俺に新たなバスタオルを被せると、法月は深く息を吐いて腰を上げた。
彼のモノは主張を露わにしており、すぐに後ろを向かれてしまったが
まるで壊れた映写機のようにはっきりとその残影を映し続けるこの目は、いつから狂ってしまったのだろうか。
「部下をあまり調子に乗せると危ないですよ、竹内さん。……湿布、買っておきます。1人で部屋まで戻れますか?」
「お…お前は…?」
「少し頭を冷やします。」
御手洗いと書かれた案内板に沿って足を進める法月に、それ以上の事は何も言えなかった。
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