160 / 194
第160話
連続で果てた後の脱力感は相当なものだった。例えるなら…そうだな。フルマラソンを終えてすぐのような。
…まあ、お察しの通り俺はそんな自ら疲れに行くような真似はした事もないのだが。
呼吸は乱れ、指一本すら動かしたくない程の気怠さ。
腹と佐々木の服は仕方ないとして、絶対に汚れているであろうソファのその後を考えると頭が痛くなりそうだ。
「……ぁさき、ティッシュ机に乗ってるからそれ…。」
というか、もうタオルでいいか。
どうせアレもソレもコレも洗濯だ。汚れたものが増えようが今更変わらない。
俺はその時、既に賢者モードに突入していた。こいつと居ると麻痺してしまいそうになるが、そもそも自慰だって滅多にしない。身体に悪いと聞くから渋々と言ったところだ。
…何をオカズにしているかは聞かないでおいて欲しい。
だが、先程から内腿に食い込む何かがやけに熱を持っている事に疑問を抱く。俺より若いし一度出しただけなのだから、ちょっと立ち上がってそばのテーブルに手を伸ばすくらい簡単な筈の佐々木が全く動こうとしない事にも。
「おい…佐々木。」
「あれ?まさかこれで終わりとか思った?」
「………は?」
“俺は”賢者モードに突入していた。俺、は。
こんなのは序章に過ぎないとでも言いたげな黒い笑みを浮かべ、佐々木はもう中身の無い陰嚢を柔く揉む。折角落ち着いてきたのだから、余計な事はしないでいただきたいものである
が──。
「言ったじゃん俺。途中じゃ止めないって。」
「途中ってお前…だって今イって……。」
「1回や2回じゃ収まらねえよ。」
何という事だ。俺が高校生の時だってそこまでじゃなかったぞ。
せいぜい2回だ。収まらない事は無い。
こいつ、なんだってそんな体力を持ち合わせているのだ。
マグロ並みじゃないか。…あーいや、ここでのマグロというのは別に隠語的なアレではなくてだな、えーっと。まあそんな事どうだって良い。
佐々木は濁った糸を引く掌で腹を拭い、混ざり合った2人分のそれをうっとりと眺めた。そして何を思ったか、だらんと垂れた俺の足を大きく持ち上げて。
「っ、?!ちょ…何してっ。」
全くもって馴染みの無いものを不意に後孔へ塗りたくられて、平気でいられる人間など何処にもいない。無論、俺も例外ではなく反射的に彼に手を伸ばした。
だがそんなもの、この猛犬にかかれは簡単に振り払われてしまうのだ。
「何もしないままぶっ込んで欲しい系?いくら痛いの好きでも明日からう○こ出来なくなるよ…。」
「な、あっ……はあ?!」
リアルな事を言うな。何がう○こだ、せめてバラの伐採と言え。…ってそこじゃなくてだな。
本気なのかこいつは。本当に、最後まで?
まさか夢の続きが始まるなんて。
記憶には欠片も無い場面だ。想像すら、つかない…。
「さ、佐々木あの…ッ、!」
「ちーがーうーだーろ。シて欲しいならちゃんと呼べ。」
「ぅ、ぇあ……。」
未知の世界を知りたいと思うのは、男にありがちな危険を省みない好奇心だろうか。尻を撫でられた所で不快感など全くなくて。
ただ予測不可能なその先を期待しては、窄まりが痙攣を繰り返した。
ともだちにシェアしよう!

