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第162話

一言で言い表すなら激痛。 直接的な痛みは同時に強すぎる快感でもあり、竹内さんに食いちぎられるんじゃないかって本気で心配になるくらい締め付けてくる粘膜に思わず眉を顰めた。 少し進めただけでもヤバくて、こんな狭い所に俺のが入るわけないって思う。それでも竹内さんの瞳からは、どんなに目を凝らそうが怖気は読み取れなかった。 これでもかという程挿入される異物を拒む後孔は、限度を超えてこじ開けられる事に必死の抵抗をしているのに、だ。 痛いに決まってる。 あれだけほぐしても無理だったのだから、急に挿れるだなんて正気の沙汰じゃない。 俺だって自らこの行為を強いる最低な奴だけど、鬼ではないんだ。こればかりは丁寧に、竹内さんをこれ以上傷めたくはないから、ゆっくり…って考えてたんだよ。本当に。 なのにこの人ったら、そんな俺の気持ちも全部無視してさ。 「も、と…奥っぅ……いおりぃ…!」 痛みを受け入れる合言葉は、消え入りそうな微かな声でも確かに俺に届くんだ。 テレビすら欠伸をしているような空間で、耳は竹内さんの音だけを拾う。 「力、抜いてって…っ。」 浅い呼吸と 鼻水を啜る音 「ぁアッ…いた、ぃの!もっと……痛いのはやぐ!」 まだ着たままだった俺の上着を引っ張る音 「俺でいいのかよッ!!」 「…に言って……お前だかぁあ゛ッ──!!」 勢いのまま硬く閉ざされたその先を目指し、自らの欲を全てぶつけて貫いた。 アイツへの醜い嫉妬でしかない台詞を吐いた自分が許せなくて、竹内さんの返事を聞くのが怖くなってしまって。 聞かずにいられる手段なんて、これくらいしか思いつかなかったんだ。 何を言っても何を言われても、未来は変わらないってわかってしてしまった。だって竹内さんは泣くほどアイツの事が好きなんだから。 突如襲い来る締め付けは想像を遥かに越え、正直堪えられたのは奇跡に近い。ぎゅうぎゅうと蠢きながらも俺のを押し出そうとする内壁の圧に、今にも負けてしまいそう。 痛いね、お腹苦しいよね。 経験した事も無い俺が言ったところで何の深みもないけれど。 …あぁ、毎晩店に来てくれていたあの竹内さんが、俺の下で苦痛に歪んだ哀しい顔を見せてくれてる。 きっと痛いのは、身体だけじゃ無いんだろ。 ──でもさ、俺って性格悪いから。 大好きな人が俺のせいで辛くて涙を流していても、良かったって…思っちゃうんだ。 昨夜の反応、それと今。どちらを見ても、まだこの場所は誰のものにもなっていないと確信出来たから。 「ハジメテ貰っちゃったね俺。暁人さんの。」 三日月ヤローにも汚されていない内臓の直ぐそばに、全身の熱と溢れ返った感情を込めたそれが届くまで…あと少し。 「お、まえだかッ…ぇう、いおりだかっらぁ…いいぃっ。」 「っは…。そうかよ、じゃあ何されても文句言うなよッ!」 「んア゛ッ…あ、ひぁ……ッいおぃ、いおりぃっ。」 まだ入り切っていなかった半分程を、押し出そうとする波に抗い力尽くで突き刺した。 さっきみたいな半端な位置じゃ排除させようとした癖に、根本まで丸ごと咥えさせれば今度は離さないように必死で縋り付いてくるんだ。 どうしてそんなに卑怯なの?ねえ、竹内さん。 そんな顔で俺を見ないで。どうして押し返してくれないんだよ。どうして抱き締めようと手を伸ばすの。 もっと欲しくなる。 身体だけじゃなく、心まで…。 そんなの無理だって俺を諦めさせる冷静な部分が、どんどんどんどん小さくなって。 夢なんか見させないでよ。 覚めたら俺が、辛いから。

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