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甘い軟禁生活にできますか①
あ、先生の腕。
まだ夢うつつなぼんやりとした意識の中、それだけをしっかりと感じた。後ろからお腹に腕を回され抱きしめられてる。
自分も抱き締め返したいなぁ、と寝返りを打つと、あ、と先生の声が耳に響いた。違和感を感じて視線を布団の中にやると、もう本当に意味わからないんですけど先生のすっごい元気なモノが丸出しになっていた。
「ふあ? なんですか……えぇ? なにしてるんですか? 気持ち悪いんですけど……」
「うん? おはよう?」
寝ぼけながら困惑の眼差しを向けてる俺なんかまるで無視な先生に、もぞもぞとベッドの中で再度抱きしめられる。前頭部に顔を埋めてすんすん鼻を鳴らしてる。
ううう、めちゃくちゃ匂い嗅いでくるし股間擦り寄せてくるんですけど!
「先生、あの! 月曜です、憂鬱な月曜の朝です! おはようございます! お仕事です!」
「目覚めバッチリ、だね。まだ六時だから。ささっと、ね?」
先生の胸に手を置いてぐーっと胸板を押し返すが、より一層抱き寄せる力が強くなりむしろ密着してしまった。
「押し問答する時間は、ないのだけど……」
「お出かけの支度をしていただいて構いませんが。もう、なんなんですか朝から」
「朝だから、でしょ? こんななってて、出雲の可愛い寝顔が……あるんだよ?」
そんなことを言いながらお尻を揉んでくるし、俺のにすりすりしてくるし、顔を逸らしてもこめかみに何回もキスしてくるし。
昨日の午前中にしたきりだとはいえ、それでもまだ二十四時間経っていないのに。変態とか理性の欠けらもないとか俺に言うけど先生も人のことを言えたものじゃない。何より寝起きとか寝てる時に勝手にするのはいけないことだと思う。
「まったく、なんで皆さんそんなに朝から元気なんですか? 下半身はどうあれ俺はゆっくりと朝を過ごしたいタイプなんですけどね……」
ぐぐぐっとまだ押し返すのを諦めずため息混じりに愚痴を零せば、それまで抱きしめるだけだった先生は俺の手首をキツめに掴んだ。
「皆さん?」
おっと、これはやらかしました。
ぐいぐい近づいてくる先生のお顔がその目が怖くて、そーっと目線を横にずらす。
「そんなこと言いました?」
「皆さんって僕と、誰? 言ってごらん? 怒らないから」
はぐらかしても勿論通用せず、さらに問い詰められる。先生の怒らないからっていうのがどの程度のレベルなのかわからない。しかし結局は白状させられるだろうし、誰のことかは先生もわかっているので早めに告げてしまった方がいい。
「あの……大鳥さんちのハヤトくん、ですね……」
先生は本当に怒ったりはせず、ふっと笑った。でも片方の口端だけあげて、いつもよりちょっと意地悪そうに。
「君って意外と……失言が多い。拒否権、なくなっちゃったね?」
布がたっぷり余ったTシャツの裾から手が入ってくる。
「うー……ごめんなさい。お好きになさってください」
「そうする」
先生がまた耳のほくろがあるらしい位置に何度も口付けて舌でぺろぺろと舐めながら、言葉の割にしっかりと勃起している性器を指先で確認するようになぞって握る。先生の大きな手に包まれて扱かれていると、自分でするよりたくさん擦れてすごく気持ちがいい。
「あ、先生、やだ……俺はいいですから……っ」
「だめ。拒否権ないって、言ったよね? ほら……いつもみたいに今どうなってるか、言って?」
耳を舐められながら囁かれて首の後ろがザワザワする。寝起きの掠れた声がいつもより耳の中の壁をくすぐっていく。
全然その気なんかなかったのにこうなってしまったらもう駄目だ。自分の意思の弱さに呆れてしまう。
「せんせいの、おっきな手でしこしこされて……きもちいい、ですっ……もうやだ、恥ずかしいんです、けど……!」
「やだ、じゃないよね? そういうこと言っていいの?」
「うぅ……あっ、あっ……もっとしこしこ、ほしいです……ごめんなさい」
まだ冷静さの残る頭で先生に言わされるとすごく恥ずかしい。ベッドから転げ落ちてしまいたくなるほどだ。いたたまれなさに腕で顔を隠すその手首に、先生はキスをした。そうして起き上がった先生に仰向けに寝かされ、正常位の時のように足を開かされる。
「せっかくおねだり、してくれたけど……悪い子は自分で扱こうか? ほら、やってみて?」
すり、と俺のに先生のおちんちんを擦りつけられ吐息が漏れる。腰を掴まれて何回も何回もずりずりとガチガチに硬くなったおちんちんを擦られてると、どうにもならない気持ちになってきてお尻の穴がひくひくと収縮するのを感じた。
でも入れるわけではないので我慢して擦れ合う性器に手を伸ばす。昨日先生にしてもらったように二人分のおちんちんを握ろうとしても、自分の手では収まりが悪い。仕方なく両手を使って握り扱き始めるが、なんだか必死でやっているように見えて恥ずかしくなった。
「あ、あっ……せんせいの、おっきくて……うまく、できなっ、ん、んっんっ」
「いい眺め……君の小さいのが、為す術もないって感じで……本当、可愛い」
「ち、小さくない、ですっ……!」
「うん? どこが?」
言われて視線を落とせば、先生のおちんちんに隠れてしまい先っちょがちらちらと横から顔を出す程度の自分のものが見えて、なんの反論もできなくなる。そんな俺を見て先生はくすりと笑った。
「可愛いでしょ?」
「せんせいの、ばかっ……」
「ほら、時間ないから……ちゃんとやって?」
両手を使う俺の上から先生の手が重なる。先生片手なのに俺の両手を掴んで上下に無理矢理動かしてきて、先生の言う通り全てが為す術もない。
おちんちんも先生にゴリゴリと押し潰され、両手はそのおちんちんと大きな手に挟まれて、興奮して我慢汁が尿道からとろりと溢れる。それが先生のおちんちんを汚して、滑りがよくなった。先生の鈴口が裏筋をずりずりと擦り上げていく度に快楽にずぶずぶと浸かっていく。
「あ、あ、きもちいい……ッ! せんせ、せんせぇっ」
「そんなに必死で扱いて……うん、でも、僕もきもちいい。もっと、してくれる?」
「する、しこしこするっ……! あっ、あっ、ん、あぁーっ」
気持ちが急いでしまって、二の腕まで振って両腕を一生懸命動かす。あ、先生からもとろとろ出てる。これだけ気持ちよくなってるのだから、しょっぱいのじゃなくて苦いのが出てるんだろうなって思ったら我慢できなくて、片手を離して先生のとろとろがついた指先を咥えて舐めた。
「あ、がまんじる、にがいぃ……せんせぇ、きもちい……? せんせぇ……」
「うん、気持ちいいよ? だから、苦くなってるんだよ? 好き?」
「すきぃ……あ、あ、もっとほし……」
「もっと苦いの絞り出してくれる? 飲みたい?」
二人の性器からじゅぶじゅぶ鳴っているのを耳で感じながら、こくこくと何度も頷いた。シーツにピンと張ったつま先を立て、腰が浮く。
もう全然我慢なんかできなくて、ただきもちいいのでいっぱいになって、先生のエッチなの飲みたくて、ペースとか緩急とか考えずに両手を使ってひたすら扱いた。先生のおちんちんが脈打つと脳が痺れる。
「あぁ、あぁ、あっ、あっ、せんせ、せんせっ、だめ、おくち、おくちに出して、せいえき飲ませて、くだひゃっ……せいえきぃ、のみたいよぉ……ッ」
「はぁ、うん……ほんとっ、はしたないな」
手からずるりと先生のおちんちんが抜けていき、脇の下あたりを跨った先生は大きな汁だくのおちんちんを目の前で扱き出した。その光景とむわっとするえっちな匂いだけでイきそうなほど興奮して自分を扱く手に力が入る。先生の精液飲みながらしこしこしてイきたいから、まだ我慢。
「口、開けて……舌出して?」
「あ、あ、しぇんしぇ、せいえきっ……?」
「うん、出すよ? ちゃんと、飲んで……あぁ、出る、んっ……」
「あっ、あっ、あっ、せいえき、あーっ……」
大きく開けた口から先が尖るほど舌を伸ばせば先生はそこにおちんちんの先を乗せ、扱く手の振動を受けながら熱い、熱い液体を吐き出された。
舌を少し内側に丸め零れないように受け止め、びゅるびゅると舌の上に液体が溜まっていくのをじわじわと感じたら腰が震え、太ももに力が入り自分も同じものを垂れ流した。足の付け根あたりがびくびくする。
「あっ…あっ……でちゃっ……たぁ……? あぁ、きもちー……」
瞼を下ろして唇も閉じようとしたら、顎を掴まれた阻止された。ふあぁ、と間抜けな声が出る。先生は口の中を覗いて、えっち、と一言呟くと今度は口を閉じさせた。
「んぅ……やっぱりちょっと、薄いです……」
舌と上顎をすり合わせ、じっくり味わってから、こくんと飲み込んだ。んん、喉に絡む。どちらかと言えば嫌な感じだけれど、先生が喉に粘りついてるって思えば全然問題ない。
「時間……ないな。シャワー、浴びてくるね? 朝ごはん、今日は、いい。ごめん」
「あ、いえ……あの、ちょっとまだ起きれなそうです」
「うん。寝ちゃってても、いいよ?」
それでも先生は俺の下半身に付着している精液だけ拭き取ってくれ、去り際に頭を撫でてくれた。
眠い。眠いけど手ぐらい洗わないと。そう思うのに、ぼーっとして意識がふわぁっと宙に浮かんでいってしまう。しかし駄目だ駄目だと首を振って意識を手繰り寄せた。
先生はああ言ってくれたけどちゃんといってらっしゃいもしたいので、だるい身体をのそのそと動かしてベットから降り、Tシャツの裾を正す。洗面所へ行って手を洗っていたら、もう先生はシャワーから出てきた。
「お早いですね」
「汗、流しただけだから……それより君、もう少し可愛いのレベル下げられない……? 困る……」
「えぇ? 知らないですよ」
ううんと顔を顰めて身体を傾いでいる先生こそ可愛らしくて、くすくすと笑ってしまったらチュッとキスされた。甘い雰囲気が嬉しいけど慣れなくてむず痒い。先生はきっとしたくてしてるだけなのだろうから、余計に照れる。
水分を取ろうとリビングへそのまま行くと、腰にタオルを巻いただけの状態でタバコを咥えながら先生は俺のスマートフォンを持ってきた。先生の細い腰にタオルがひっかかってるのと濡れた白い肌と口元がセクシーすぎて、目のやり場に困りながら変な角度でそれを受け取る。
少し濡れた髪をかきあげ、タバコに火をつける時に伏せた長い睫毛が濡れて艶々としていた。
先生はタバコを吸って煙を吐き出すと、骨ばった白い首筋をさらしながら首を傾げた。
「見ないの? ロック、かかっちゃうよ?」
「ああ、見ます! すみません、見惚れちゃいました……」
慌てて画面に触れるとまだロックはかかっていなかった。姉から新しいメッセージはきておらず、何だかほっとした。
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