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第16話 試される覚悟

黒からのテストが始まった。寝室に入ると中にはあの日俺を犯した男達が待っていた。一気にあの日の記憶が呼び起こされる。 「な、これは…どういうつもり」 「貴様の覚悟を試すと言っただろう」 「だからってなんでこいつらが…」 怯えを見せた俺を鼻で笑いベッドの側にあるシングルソファに黒が座った。触るつもりはないのか、見物するつもりなのか真意はわからないがこれから始まることは恐らく良いことではないだろう―― 「これからお前は俺たちに廻されるんだ。首領の目の前でな」 「今回は薬も使わず素面だ」 「楽しめそうだなぁー」 男達のとんでもない言葉に固まってしまった。なぜ黒は輪姦させるんだ。チャンスをくれたんじゃなかったか。もう二度と信じるつもりはないという意思表示なのか。黒のことが全然わからない。 「黒…」 呼びかけても冷たい目を向けられ座っているだけだ。動くつもりがないようだ。それだけ俺は黒を傷つけたのだろう。固く閉ざされた心をどうやれば解せるのかわからない。 男達は各々服を脱ぎ鍛え上げられた肉体を晒した。そんなものを見せつけられても何の感慨も湧いてこない。 はじめに押し倒して来たのはあの日何度も中に出してきた男。とにかくねちっこくてしつこい奴だった。ボロボロの服を強引に剥ぎ取られ素っ裸にされる。 「あの日も思ったけどよ。お前の体エロいな。すげーいいぜ」 そういうと何の前触れもなく固く閉ざされた穴に怒張したものを押し当てて来た。 「いきなりは…」 「大丈夫…痛いのはお前だけだから。俺は全然平気」 「くそ…」 自己中男は制止を聞かず中に突き入れてきた。張り裂けそうな痛みが走る。気持ち良さの欠片もない。 「っ…い、いた…止めろ…」 「あー気持ちいい…中締まるわ…」 「くぅ…黒…助けて…」 助けて欲しくて黒を見る。こちらと目が合うが動こうしない。そして懐から小さな包みを取り出したかと思ったらそれをこちらに投げてよこした。 「飲め、助けてやる…」 そう言った黒の表情は全く変化なく冷たい目をしていた。恐ろしくなった。ここでこの包みを受け取らなければ、本当に黒は俺を捨てるだろう。 熱い屹立から逃れるように這い降りて包みに手を伸ばす。包みの中には白い粉末状の薬のようだった。恐る恐る舌を伸ばす。口内に含むとザリザリとした砂のような食感で漢方薬のような独特の苦味はなく、すっと飲めるものだった。 「全て飲み込んだか口を開けてみせろ」 「ん…っ…あ…」 大きく口を開けて見せつける。顎で指示されるまま口を閉じた。何の薬なのかわからないまま男に強引にベッドへ戻される。 「おい、さっさと股開けよ!」 男が無理やり股を大きく開かせようとした。こんな恥ずかしい姿を晒したくはない。男達に丸見えの状態で足を折りたたまれて屹立が次は一気に中へ入ってきた。 「っい!あ…いた…やめ…」 「あー締まる。いいね…」 「っ…切れた…血が…」 「でも中唸ってるぜ。お前どんだけ首領とやってんだ?」 痛いはずなのに奥が疼く。こんな風にならなかったはずなのにおかしい。もしかしてさっきの薬が関係しているのだろうか。媚薬の類だったら十分考えられる。 「っう…ん、ぁ…」 「お、そろそろ効いてきたか」 「何の…」 「軽いドラッグだ。後に残らない。娼婦や男娼がよく使うやつだ」 頭の回らない状態で奥を突かれる。このままでは黒に見られていることを気にする余裕を失くしてしまう。薬のせいで目の前の快楽のことしか考えられない。 しつこい男は何度も奥を刺激した後、身勝手に中へ精液を吐き出した。奥に広がる快楽に俺自身も達してしまった。息を整える余裕はなさそうだ。まだ二人残っている。

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