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第1話『夏祭りの夜に』(11)蒼汰×夏葵(※)
〜side.夏葵 〜
「よし、一旦離れるぞ」
「うん…」
体が離れたのを確認した俺が蒼汰 に背を向けようとすると、抱き寄せられて唇にチュッとキスされた。
『夏葵の顔が見えなくなるのも淋しいな』なんて言いいながら。
「その分、お尻見放題だよ」
俺からもキスをすると、『それもいいな』なんてニヤニヤする。
蒼汰は本当に俺のお尻が好きみたい。
見知らぬ人に性的対象として見られるのは気持ち悪いけど、蒼汰なら嬉しい。
早く喜ばせてあげたい。
四つん這いになって上体を下げた。
蒼汰の枕をぎゅっと抱きしめてお尻を突き出した。
「お尻揉みながら…蒼汰の好きにして…」
俺のお尻をつかんで、欲望のまま貫いて欲しい。
蒼汰を誘惑したくて、ちょっとお尻を揺らしてみた。
「そんな事したら体が離れる。夏葵…嫌だろ」
「いいよ…。その分、対面座位の時にいっぱい抱きしめて…」
本当はバックの時も体をくっつけていて欲しい。
でも、今は俺に夢中になって欲しい。
今まで蒼汰が抱いてきた誰よりも俺の体が好きって思って欲しい。
蒼汰の一番になりたい。
「本当に…いいのか」
「うん。して…」
俺を気づかいながらも、蒼汰はずっと俺のお尻を見てる。
興奮してるのをグッと堪えながら。
「早く…。恥ずかしいから…」
手をそっと引いてお尻に導くと、蒼汰は両手でお尻のお肉を揉み始めた。
感触を楽しむように、ゆっくりと。
エロ…とか、モチモチだ…とか、無意識につぶやいてるから嬉しくなる。
こんなにお尻を揉まれた事がないから不思議な感じ。
ちょっとくすぐったいし。
でも、だんだん手つきが『揉む』から『撫でる』に変わっていく。
触れる場所もだんだん蕾に近づいてくる。
触れるか触れないかのタッチにゾクゾクして、時々体がピクッと反応してしまう。
「夏葵…可愛いな」
クチュクチュと蒼汰が自分自身を扱く音がする。
蒼汰が側に来る気配がして胸が高鳴る。
早く…挿れて欲しい。
「夏葵…いいか?」
「うん…」
トロトロの先端が蕾を上下に撫でる。
もうそれだけで気持ちいい。
『今から挿れるぞ』って合図に、蕾をヒクつかせて応えた。
「挿れるぞ、夏葵」
「うん…」
深呼吸をして体を緩める。
さっき繋がったばかりだから、すぐに一つになれた。
正常位のゆるっとイチャイチャする感じも好きだけど、バックの深く繋がれて、蒼汰に征服されてる感じも好き。
「夏葵…どうだ…」
「ん…さっきより奥まで当たってる感じ…」
キュッと蕾を締めると、蒼汰が俺のお尻を鷲づかみにして腰を振り始めた。
ズン…ズン…と、硬くて太い蒼汰自身に、一定ペースで内壁を擦られる。
「あぁっ…あん、あんっ…すごい…」
蒼汰…上手…!
バックが好きって言ってたからかな…。
筋肉質で強靭な足腰から与えられる絶え間ないピストン。
欲しがって蒼汰に絡みつく中を絶妙な力加減で繰り返し愛される。
蒼汰のバック…癖になりそう。
「あっ…ぁ…蒼汰…気持ちいい…!」
「…っ…俺も気持ちいいぞ」
蒼汰の感じる声は甘くかすれてエッチ。
俺が喘ぐと、ピストンがさらに速くなる。
激しい腰づかいと、奥をえぐられるような感覚。
蒼汰の姿は見えないし、行為は強めだけど全然怖くない。
抱きついた枕から蒼汰のにおいがするから。
荒い呼吸の合間にずっと名前を呼んでくれるから。
「…っ、夏葵…」
蒼汰…気持ちよさそう。
対面座位もしたいけど、このままイカせてあげたい…。
ぎゅっと蕾に力を入れて締めつけた。
「ま、待て夏葵。対面座位もするぞ」
「……いいの?」
「あぁ。約束したし、やっぱり夏葵の顔が見たい」
蒼汰は俺の背中を撫でながら、そっとキスをしてくれた。
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