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第1話『夏祭りの夜に』(12)蒼汰×夏葵(※)
〜side.夏葵 〜
「対面座位も…いいな」
「本当?嬉しい…」
蒼汰 が喜んでくれたのが嬉しくて、ぎゅっと抱きつく。
こめかみ辺りに頬ずりして甘えると、蒼汰も抱きしめ返してくれた。
蒼汰とする初めての対面座位。
慣れてない蒼汰のために、今度は俺が頑張った。
蒼汰の膝にまたがって、蒼汰自身を握って自分から挿れた。
「夏葵のエロい顔見放題、喘ぎ声聞き放題、胸も舐め放題のフルコースだ」
大好きなお菓子の山を目の前にした子供みたいにキラキラした蒼汰の瞳。
「蒼汰のエッチ…」
「エッチな俺は…嫌か?」
「ううん、大好き」
唇を寄せると、蒼汰も嬉しそうに応えてくれる。
して…と囁くと、俺をぎゅっと抱きしめたまま少しずつ腰を動かし始めた。
「こうか、夏葵…」
「うん…いい感じ」
最初は俺の様子を探りながらのぎこちない動きだったけど、すぐにコツをつかんだ蒼汰はズンズン突き上げ始めた。
「…ぁっ、あ…っ…あんっ…」
力強くてリズミカルなピストン。
自分では届かない奥の方を擦られて体が悦んでるのがわかる。
その間に胸をジュッと吸われたり、舌先でチロチロ舐められたり。
もっとして欲しくて、蒼汰に胸を押しつけた。
「蒼汰…気持ちいい…」
「俺も気持ちいいぞ。夏葵の胸をいじると、中がぎゅっと締まって最高だ」
そこからはもう夢中だった。
交代で動いたり、貪るようなキスをしたり。
俺が感じると、蒼汰も感じる。
蒼汰が気持ちいいと俺も気持ちいい。
お互いの官能を高め合える感じが嬉しい。
狂おしい体の疼きを満たすように本能で求め合う。
「あぁん、蒼汰…」
蒼汰が少しずつ体の角度を変えて、俺の前立腺のまわりを擦る。
前立腺に当たりそうで当たらないもどかしい刺激。
自分から当てにいこうとすると、スルッとかわされる。
「やだ、意地悪しないで…。気持ちよくして…」
「…っ…夏葵のおねだり最高に可愛いな。なぁ、もうちょっとだけしてくれよ」
いいだろ…なんて甘い声で囁かれて、頬を撫でられたらエッチな事でも何でも言いたくなる。
「はぁん…蒼汰でイキたい…。蒼汰の…大っきいので…ぁっ…俺の気持ちいいとこ…擦って……あぁんっ」
まだおねだりの最中だったのに、興奮しきった蒼汰は俺をイカせるための動きを始めた。
敏感な胸も、キュウキュウ疼くお腹の奥も…あちこち全部愛されてどうにかなりそう。
「あっ…イク…蒼汰でイッちゃう…」
「俺も…イキそうだ…」
汗びっしょりで頑張ってくれてる蒼汰。
一緒にイキたい。
俺の中に蒼汰の愛情をいっぱい注いで欲しい。
見つめ合ってうなずいて…もう一度口づけた。
「そうた…好き…。あっ、も…イク…イッちゃう…。ぁ…あッ、あぁ───ッ」
「夏葵…好きだ…んぁっ…」
体の隙間がないくらいきつく抱き合う。
蒼汰にイカせてもらう悦びを感じながら、蒼汰の絶対を体の奥で感じた…。
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