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第1話『夏祭りの夜に』(13)蒼汰×夏葵(※)
〜side.夏葵 〜
「…はぁ…蒼汰 …上手すぎ」
「夏葵も上手かったぞ。俺たち体の相性までいいんだな」
嬉しそうに笑う蒼汰と体を繋げたまま微笑み合う。
性格も体の具合も合う人に巡り逢えた幸せ。
『気持ちよかった』
『幸せ』
『蒼汰が好き』
まだ呼吸が整わないし、頭もふわふわするけど、素直な気持ちをたくさん伝えた。
『最高だった』
『夏葵と出逢えてよかった』
『愛してる』
蒼汰は何度も何度もキスしながら嬉しくなる言葉をたくさんかけてくれる。
蒼汰の甘い囁きや唇の温もりで、すぐに熱くなる俺の体。
もう1回したいな…。
蒼汰はどうかな…。
おねだりするように見つめると、中の蒼汰自身の体積がグンッと増した。
「蒼汰…?」
「そんな可愛い顔で上目づかいされたら勃つに決まってるだろ…。なぁ、もう1回いいか…」
「うん、いいよ。俺もしたい」
…そこからまさかの3回戦。
知ってる体位は全部やってみたかも…ってくらいバラエティに富んだセックスだった。
絶倫の蒼汰に余すところなく愛されて、性欲強めの俺も大満足。
どんなに激しく求めても蒼汰は俺を満たしてくれた。
さすがに脚も腰もガクガクで、俺はもうできないけど、きっと蒼汰はまだできるんじゃないかな…。
『こんなに夢中になれたセックス初めてだ』って蒼汰も大満足の様子。
よかった…蒼汰を満たしてあげられるエッチな体で。
裸のまま抱きしめ合って、愛おしい気持ちや温もり、気怠さを2人で味わう。
このままずっと蒼汰の腕の中で幸せを感じていたい。
「明日目が覚めても、夏葵が俺の腕の中にいるんだよな…」
「うん、いるよ…。蒼汰の腕の中で朝を迎えられるなんて最高に幸せ」
じゃれるみたいに唇を寄せると、優しく応えてくれた。
蒼汰は俺の望みを全部叶えてくれる。
もしかしたら夢かも知れない。
だってこれが現実なら、幸せすぎて怖くなる。
「…俺…夏葵を好きになりすぎて、夏葵がいない生活なんてもう無理だ」
「俺も無理。蒼汰がいなかったら生きていけない」
お互いの存在を確かめるようにぎゅっと抱き合った。
体を撫で回して、においを嗅いで、汗ばんだ首筋を舐めて…。
五感を全部駆使して蒼汰を感じた。
「俺…寝ないで起きてようかな…」
朝が来るまでずっと蒼汰を見つめていたら、夢じゃないって思えるから。
それに、蒼汰の寝顔も見てみたい。
「何だよ、寝顔見せてくれよ」
蒼汰はわざとらしく俺の背中を優しくトントンして寝かしつけようとしてくる。
きっと先に寝た俺の顔を見ようと思ってるんだ。
考えてる事が一緒で嬉しくなった。
「…なんて言いながら、すぐ寝ちゃうかも」
たくさん愛し合ったし、蒼汰の腕の中があったかくて、気持ちよくて、瞳を閉じたら眠ってしまいそう。
「俺もだ。今気を抜いたらきっと即寝だ」
ふわぁ…とあくびをする蒼汰も可愛い。
「ねぇ、蒼汰。おまじないしない?」
「おまじない?」
「そう…。2人仲良くずっと幸せでいられるおまじない」
蒼汰の手を取って、大きな手の平に指先でハートを描いた。
「蒼汰も描いて…」
手の平を見せると、蒼汰もハートを描いてくれた。
俺の手の平からはみ出しそうなくらい大きなハートだった。
「このハートが重なるように手を繋いで眠るの」
いい…?って聞くと、蒼汰はすぐに手を握ってくれた。
「夏葵はやる事まで可愛いな」
恋人繋ぎをするみたいにぎゅっと握られた手。
これからもずっとこの手を握っていて欲しい。
俺からも握らせて欲しい。
「いくつになっても、ずっとこうやって手を繋いでいような」
そっと手の甲に寄せられる蒼汰の唇。
「うん、嬉しい…。約束ね」
俺からも蒼汰の手の甲にキスをした。
「約束のキスは唇だろ…」
ちょっと頬を染めた蒼汰がじっと俺を見つめる。
そうだね…とうなずいて瞳を閉じた。
「愛してる、夏葵…」
「俺も蒼汰を愛してる…」
大好きな人と交わす未来の約束。
一生2人仲良く暮らせますように…。
俺たちは幸せいっぱいの約束のキスを交わした…。
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