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第2話『9日間限定の恋人』(22)俊哉×凪彩(※).

〜side.凪彩(なぎさ)〜 派遣恋人最終日の日曜日。 2人で話し合って、今日はずっとベッドで過ごす事に決めた。 昨日もあれからずっと(とし)くんに抱かれてたけど、まだ足りない。 離れてしまうまでに、もっと俊くんを知りたい。 裸のままくっついて、おしゃべりしたり、キスしたり。 ご飯を作る時間や片付ける時間も惜しいから、お腹が空いたら菓子パンをかじってまたベッドへ。 とにかく離れたくなかった。 1秒でも長く俊くんを感じていたかった。 俊くんの逞しい腕で後ろからぎゅっと抱きしめられて『好きだ』って囁かれると幸せな気持ちがどんどんあふれてくる。 キスして欲しくなったらそっと振り向いておねだり。 体を繋げたくなったら、2人で横になったままできる横バック。 俺の中の俊くんが柔らかくなってきたら俺が扱くように腰を動かすと、すぐに硬くなる。 体を繋げたままうたた寝するのも気持ちいい。 甘くて優しいまったりタイムを楽しんでいたら、すぐに時間がたってしまった。 日が陰り始めた夕方頃から、終わりの時間を意識するようになった。 俊くんとのお別れの時間が刻一刻と迫ってくる。 俺がちゃんと仕事を辞めない限り会う事はできない。 もちろん連絡を取る事だって…。 俊くんが最後の食事だけはちゃんとしようって言った。 この9日間、たくさん美味しい物を食べさせてもらったからもう充分だよ…と伝えた。 食事をするより俊くんのにおいを嗅いでいたかった。 「契約期間が終わったら、俺は凪彩に何もしてやれない。寒くても温めてやれないし、腹を空かせていても何か食べさせてやる事もできない。だからせめてこの家を出る時は満腹でいて欲しい」 俊くんの気持ちが嬉しかった。 俺の好きなシーフードピザと、俊くんの好きなお寿司をデリバリーした。 半分こ食べて、お腹がいっぱいになったらまたベッドへ。 時間的にもこれが最後のセックスだから…。 「ん…はぁ…」 いつも優しい俊くんだけど、今日の愛撫はとびきり優しくて丁寧で…。 指先や唇から伝わる俊くんの愛情。 最後だけはコンドームなしでする事にした。 何の隔たりもない生の俊くんを感じたくて、俺がねだった。 今…俺の中に入ってるのは俊くんだけ。 そう思うだけで胸がキュンとなって、体を繋げた部分が熱くてとろけそう。 こんなに愛してもらえるなんて、本当に夢みたい。 「俊くん、俺にもさせて…」 寝かせた俊くんに背を向けて、下半身にまたがった。 そのままゆっくり俊くんの昂りに腰をおろして受け入れた。 俊くんが好きって言ってくれた背中と腰のラインを見てもらいたかった。 今度いつ抱いてもらえるかわからない。 それまでは俺をオカズにして欲しい。 俊くんのオナニーライフが充実するよう、少しでも色々な俺を見て欲しかった。 前屈みでお尻を突き出すようなポーズをして腰を振る。 蕾にズブズブ出入りする俊くん自身を見て欲しい。 体だけじゃなく目でも楽しんで欲しかった。 「すごいな、凪彩…。めちゃくちゃキレイだ」 喜ぶ俊くんの声を聞いて嬉しくなる。 もっと俊くんを興奮させたくて、一生懸命動いた。 「んんっ…あぁん…」 俊くんに中を擦られて俺も感じてしまう。 さらなる快感を求めて自分の胸に手を伸ばした。 指先で触れるだけで、ジン…と痺れたみたいに気持ちいい。 「凪彩を気持ちよくするのは俺だ」 体を起こした俊くんにグッと抱き寄せられた。 冷えた背中で感じる愛しい俊くんの温もり。 それだけで満たされた気持ちになった。 背面座位できつく抱きしめられながら、同時に両胸もカリカリされる。 俊くんの巧みな指づかいがたまらない。 そのままズンズン突き上げられると意識が飛びそうになる。 少しでも俊くんを覚えておきたくて、ぎゅっとお尻に力を入れた。 「俊くん…、もっと刻みつけて…。全部俊くんのものにして…」 「あぁ、凪彩は俺のものだ。心も体も全部…」 顔…見せてくれ…と、囁く俊くん。 体を繋げたまま正常位になった。 俺に向けられた優しい眼差しに、胸がとろけそうになった。 「可愛いな…凪彩…」 頬に触れる温かな手。 あと数時間でこの温もりを感じられなくなるなんて信じたくない…。 「…俺の顔も体も…全部覚えていてね」 「あぁ、1秒だって忘れないぞ」 愛してる…そう囁かれて、薬指の指輪にキスを一つ。その手をぎゅっと握り合ってまた唇を重ねた。 俊くんとのキスは、する度に喜びが増していく。 唇を重ねれば重ねるほど、心の距離が近くなっていく。 「凪彩…ぎゅっと抱きついていて欲しい…」 「うん…」 腕も脚も絡めてぎゅっと体を寄せると、俊くんは俺の首筋にキスをしながら動き始めた。 「…っ、凪彩…」 上手く息ができなくなるくらい抱きしめられて、高速で奥の奥まで突かれる。 俊くんの熱い想いがダイレクトに伝わってくるから、それに応えるように俺も喘いだ。 「あっ、ぁ…あっ…俊くん…」 イキそう…と伝えると、さらにピストンの速度が増した。 「…俺も…イキそうだ…」 ギリギリのところで我慢してる感じの俊くん。 きっと俺を待ってくれてたんだ…。 「欲しいよ、俊くん。全部俺の中に出して…」 「…いいのか…」 「うん…。ちょうだい、俊くん…」 俺が求めると、中の俊くんがグンッと体積を増した。 さらに硬くなった俊くんを感じて体が震えた。 「凪彩…イクぞ…」 「うん、きて…」 弾けそうな俊くんに前立腺をグリグリされて、俺ももう限界。 俊くんの舌を味わいながら、快楽の波に身を委ねる。 「俊くん…あぁんっ…!」 「…凪彩…!」 俺の体がビクビクッと痙攣して絶頂を迎えたのと、俊くんがグッと腰を押し込んで、中にたっぷり注いでくれたのがほぼ同時。 2人仲良く果てた俺たちは、幸せな気持ちでまたぎゅっと抱きしめ合った。

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