2 / 17

第2話(トビー)

雇い主、支配者。 俺はいつも誰かの所有物だ。 最初の支配者は叔父のトーマス。 母は俺が13歳の時に死んだ。 父親は誰か知らない。 売春宿で働いていた母親が、過労で死んでからはずっと地獄のような日々だ。 叔父から初めてレイプされて以来、俺はずっと男達に犯され続けている。 こんな汚い身体、早く捨てたい。 叔父から売春宿へ売られてからは、次々と俺は金で売買された。 今居る売春宿はちょうど2年ぐらいだ。 この店で週に2〜3回来る無口でキレイな男がいる。名前はジョン。 先月は急にパッたり来なくなったと思ったら、また今日指名が入った。 飽きられたかな?と思っていたから、少しだけホッとした。 「寝る場所も食うモンにも困らせねぇから、ウチに来いよ」 ジョンは部屋に入るなり、セックスもせずにいつもの素っ気なさで誘ってきた。 衣食住に事欠く生活が長くって、俺は正直、疲れ切ってた。 ジョンがカタギの仕事じゃ無い事も薄々気付いてたけど。 キレイな金髪に、スラリとした長身。 裏社会の人間らしい、少し擦れた雰囲気。 もう、この男で良いか。 知らない男達を相手にするのも疲れた。 醜い男や不潔な男、乱暴なプレイ。 それよりも、このキレイな男に毎日抱かれていた方がマシだ。 「いいよ、あんたが俺を買ってくれんの?」 俺の値段は一晩なら数千ドルだけど、身請けするなら数千万ドル。 流石にジョンも払えないだろう。 期待するのはもう疲れた。 「分かった、話付けてくるから待ってろ」 売春宿のオーナーである、ナイトの所へ向かうと数分で戻ってきた。 「行くぞ、準備しろ」 ジョンソン•ミラー。 ある日突然に、この男との生活が始まった。

ともだちにシェアしよう!