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第14話(トビー)

花を買った。 星型のピンク色の花。 初めて見る可愛い花だ。 俺は夕方にはジョンの家に戻ると買ったばかりの花をダイニングテーブルの真ん中に置いた。 ジョンが帰って来たら、どんな反応するかな? 花なんて興味無さそうだけど。 シャワーを浴びて、適当に夕食を済ませると、うっとり花に見惚れていた。 その時、突然ドアが乱暴にノックされた。 時刻はもう夜の8時を過ぎている。 「誰だろう、、、」 「おい!ジョン!開けろ!俺だ、イアンだ!!集金に来てやったぞ!!」 外で怒鳴る男の声に、トビーは怯える。 「おい!さっさと開けろ!開けないとドアを蹴破る!!」 ソレを聞いてトビーは慌ててドアへ駆け寄った。 そっと鍵を開けて隙間から外を除く。 「あ?お前誰だ?」 警察官の服装をした40代ぐらいの男が仁王立ちしている。髭を蓄え、腹回りにも脂肪をたっぷり蓄えている。 「ジョンは仕事」 トビーは何とか声を振り絞った。 「そうか、じゃあ中で待たせてもらう」 イアンと名乗った警官は乱暴にドアを開けるとズカズカと室内に入りダイニングのソファーの真ん中に陣取った。  この人、本当に警察官? 「お前、誰だ?名前は?」 「ト、トビー」 「ジョンとはどういう関係だ?」 イアンの眼光は鋭い。 どういう関係かは俺もわからない。 「あー、アレか、アイツの男か?」 自分の頬が赤くなるのを感じる。 「男と寝る趣味は分からん」 勝手に納得すると、イアンは上から下まで値踏みするように俺を見た。 「まあ、咥える口は同じか」 男は当然のようにズボンのチャックを下す。 「何してる?さっさと咥えて奉仕しろ」 俺はどこに行っても陰の中。 暗闇は俺を離さない。 この世界はなんて残酷なんだろう。

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