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episode.11

「抜いたろか?しんどそぉやし…。」 そう言って、かきつばたはようやく…もうマジでようっやく俺の中心部へと手を動かした。 爪が当たらないようになのか、指を反らせた不自然な手つきでは物足りなくて、切なくて。 かきつばたの白銀の長い髪をピンと引っ張った。 「ったぁ…何すんねん。」 「…ちゃんと直接っ、しろよぉ…かきつばたぁ…。」 ゆらりと弧を描く妖美な唇に気が付き、 あ、やばい…。 そう思った時にはもう遅かった。 俺のせいで乱れた髪を掻き上げれば、 そこから覗く真っ赤な瞳が怪しく光る。 初雪を思わせる肌は桃色に紅らみ、口元からは熱い息が吐かれた。 「あ~、ほんまになんなんやろな?スミレ。」 「…は?」 「いやぁ…俺、死人にしか興味湧かへんねんけどさ、 スミレは何か違うわぁ。」 「は………はぁ?し、死人…おまっ死人?! ダメダメダメ社会的にアウトだろ!!」 突然何を言い出したかと思えば。 ぶっちゃけそこそこ舐めてかかっていた訳だがもしかしてこいつはとんでもなく危ない奴なんじゃないだろうか。 とりあえず、そんな綺麗な顔で興奮して言う事じゃねえ、確実に。 「…ふふ、せやからスミレにこんな事するんが不思議なんやって…。」 そういって、かきつばたは少しだけ萎えた俺の息子を握った。 「っあ……い、きなりってめ…!!」 せっかく収まりかけてたのに!! 「んっふふ…エロい声出しよるなぁ。 …なぁスミレ、でも俺こんなとっきんとっきんの爪やからな?手で扱いたるのは難しいと思うねん。」 太腿に何度も何度もキスを落としながらかきつばたは呟く。 それなら初めから抜いたろか? なんて言うなと思う。 少し…ほんの少しだけ 期待した俺がバカみたいだ。 込み上げる恥ずかしさと怒りでに目には涙が溜まり、フイとかきつばたから目を逸らした。 するとかきつばたはその長い爪で俺を傷つけないよう 慎重に下着に指を引っ掻けて。 かきつばたの香りが近づく。 悔しい事にこんな変態の偏食の性癖ねじ曲がり男でも顔だけは一丁前に良いから困るんだ。 長い髪が腹を擽り、反射的に身を捩った。 遂に耳元まで到達したかきつばたの唇から芯に届く 深く響く声。 「せやから、口で我慢してな?」 その言葉にゾクリと下腹部が疼いた。 まるで言霊だ。 こいつに逆らう事なんて出来ない。 抗ったところで無駄なことはよく知っている。 だから、それが現実になると期待してしまうこの身体。 今か今かと待ちわびるそこから、透明な液が滲み出た。 ふっと小さく笑ったかきつばたは、 俺の頬に一つキスを落とすと 膝下まで下着をずり下ろした。 「…っ、はあぁ…。本当、たまらんわ。スミレ。」 反り勃つ自身を他の誰かに見られたことなんて無くて、なのにかきつばたはソレを凝視してぺろりと舌なめずりをする。 こんなものを見て何がいいのか俺には全くわからないが、揺れるまつ毛の間から覗く瞳には、抑えきれない欲が確かに混じっていた。 かきつばたの赤い舌が伸びて、 俺のソレに近づく。 スローモーションになったみたいに、 妙にリアルな1コマ1コマが俺の脳を犯す。 先端に触れたかきつばたの赤い舌が、 熱くて柔らかくて俺のに絡まって。 ビクンと跳ねる身体を誤魔化すように、再びかきつばたの白銀を掴んだ。

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