17 / 88

2-4

「んっ、ううっ」  強引なキスが再開された。歯列を割って入ってくる熱い舌が口腔をうごめく。來の唾液が甘くて、口の中は蜜で溢れるようだ。聖利は夢中で舌を絡ませ、動きに合わせる。  來のごつごつした指がランニング用のTシャツを押し上げた。脇腹に指が直に触れた瞬間、電流が奔ったような衝撃を感じた。來もその鋭い感覚がわかったようだ。 「おまえ……なんなんだよ、聖利……!」 「わ、かんな、ああっ!」  胸の突起にむしゃぶりつかれ、甲高い声を上げてしまう。先ほどまでキスで翻弄してきた舌が、容赦なく聖利の胸を責めたてる。ちろちろと舌先で遊んだかと思えば、強くきつく吸い付かれ、たまらずのけぞった。 「あっ、いやあ! そこ舐めるなっ! ああん」 「コリコリに硬くなってんぞ。イイんだろ?」 「いやっ! 歯、たてるなよ、だめ、來、だめぇっ!」  己の中心が痛い。張り詰めたペニスが、どくんと内側から拍動する。 「だめだ、來っ、はなしてっ! やだぁぁっ!」  來の頭を胸から剥がし、押しのけようとしたが果たせない。あ、と思った瞬間、聖利は身体をびくびくと震わせ下着の中に吐精していた。 「あ……うそ……」  愕然と呟く。キスされ、乳首を責められ、呆気なく達してしまった。 「乳首でイクとか、おまえ、どれだけエロいの?」  見下ろしてくる來は、はあはあと荒い息を吐いていた。肉食獣のように野性的な表情が興奮に歪んでいる。 「……離せ。離してくれ」 「は? 聖利の、まだ全然満足してなさそうなのに?」 「え?」  見れば、自身の前はまた質量を持ち始めている。たった今射精したばかりだというのに、身体の熱は増すばかり。どころか、下腹部に甘い疼きを感じる。こんな感覚は知らない。  自分がどうなってしまったのかわからない。頭がおかしくなってしまったのだろうか。

ともだちにシェアしよう!