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7-5
「挿れるぞ」
欲しい。強くそう思った瞬間、來の先端が甘くとけた肉を押し分けた。
「う、ん。来て、來」
聖利の声に煽られ、勢いのまま來が最奥まで突き込んだ。
「うあ、ああああっ!」
「くっ……」
來のペニスがずっぽりおさまっている。來と繋がっている。たまらない快感と同時に嬉しくて涙が滲む。
「……聖利ん中あっつい」
「らいの、も、かたくて、あっつい」
視線が絡み、ふたりはキスを交わした。幸福と心地よさがないまぜになり、もうお互いしか見えない。
ゆるく來が腰を揺すりだす。
「あっ、あっ、らい、らいぃっ!」
「悪い、でも止まんねぇ」
聖利の骨盤を左右から掴み、來の抽送はどんどん激しくなっていく。擦りあげられ、突かれ、聖利は迸る嬌声を必死に抑えた。
「ふっ、ひう、う、あん、あ」
「痛くないか?」
「きもちい、來のきもちいよ」
「いいとこ、ここだろ?」
一度触れたところをきちんと覚えていて、來が的確にそのしこりを擦ってくる。頭がおかしくなりそうな快感が迸り、聖利は自分の唇を強く噛みしめた。
「ほら、唇噛むな」
「だって、そこ、良過ぎて声が」
「キスしてやろうな」
甘く唇を重ねて唾液を混ぜ合わせる。しかし、一度触れられた部分はどうしようもなく感覚過敏で、苦しいほどだ。
さらに聖利の腰をすくいあげ、來が圧し掛かってくる。深く最奥まで押し込まれ突き当りをえぐられた。
「いや、深いっ、らい、そこだめぇ!」
前立腺を刺激される良さとはまた違う。來の根元のふくらみが縁に引っかかり、快感を助長する。
「あっ、奥、だめ! 変になる、だめぇ!」
最奥は内臓を直に圧迫される感覚で、その強い刺激は倒錯した快楽だった。征服される暗い喜びだ。我慢できない嬌声が迸る。
「結腸の奥に……オメガの子宮があるって、聞いた。そこにぶちまけてやりたいな」
荒く息を吐きながら、來は夢中な瞳で見下ろしていた。ものすごく野蛮で艶やかだ。愛しい。今この瞬間、この男のものになっている。
「來、すき、來」
「俺も好きだ。奧で出していいか?」
「ん、いい、よ」
怖い。未知の感覚に恐怖と期待でおかしくなりそうだ。だけど、來と昇りつめたい。聖利はすがりつき、激しくなる律動を受け入れた。
「ふ、うあ、あ、ああ、あっ、來、來っ!」
「イキそう。出すぞ」
「あ、出して。來のいっぱい、ちょうだい! ああっ!」
視界が弾けたようになり、聖利はびゅくびゅくと激しく吐精した。スキン越しでも、身体の内に熱い奔流を感じる。
「わり、まだ出てる」
來は聖利をかき抱いたまま、射精の強い快楽に耐えている。番とのセックスで、アルファの射精は長いと聞いたことがあるが、確実に孕ませるためのものなのだろう。
まだ子は成せない。番にもなれない。それでも聖利は來の頭をかき抱き、ねだるように言った。
「來、首、噛んでほしい」
「聖利、でも」
「いつか、來の本当の番になりたい。だから、おまえのものだって予約の印をくれ」
自分で言って照れくさくて仕方ない。來が耳朶をはみささやいた。
「俺もしてる最中ずっと、噛みたいって思ってた」
「本当か?」
「俺の番だって、世界中のヤツに証明したいからな」
來が口を開け、柔らかな聖利の左の首筋に歯を立てる。じわっとした痛みすら快感だ。短く吐息をついた。最初の約束。いつか本当の番になるための誓い。
「來、僕幸せだ」
「馬鹿、俺もだ」
何度目かのキスは甘く、想い合っていた期間を埋めるには、まだまだ全然足りなかった。
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