抗争の後から黒の足に負担をかけないスタイルで抱き合うようになった。挿入の時は騎乗位になるわけで、それはそれで恥ずかしいけど無理はさせられないと割り切っている。 　素直に横になった黒のスラックスのチャックを外す。こんな事も慣れたものだ。下手だと言われていた時が懐かしい。黒の反応を上目遣いで確認しながら下着の中にあるまだ硬度を持たないそれを手で触れ刺激する。 「周、尻をこっちに向けろ。できないだろう」 「え、あ…うん…」 　黒の顔側にお尻を突き出すような体勢で跨るとパジャマを下着ごと降ろされた。やわやわと触れられて徐々に硬くなり始める。起きてすぐこんなことをしてるなんてなんだか興奮する。 　会議前にこんな事したら思い出して集中できなさそうだ。さっきまであの口は俺のを…って考えただけで鼓動が早まって頭に何も入ってこないだろう。でも止められなかった。 「ん、あ…っう…ん、黒」 「早いな…っ、もう先走りが出てるぞ」 「っんん…だって触ってもくれなかった…」 　共に手で刺激を加え続ける。黒の屹立に触れているだけで後孔が疼いてヒクつく。そこへ触れない代わりに黒の舌が茎を舐めた。 「あぁ…黒」 「手が止まってるぞ。集中しろ…」 　黒からの愛撫を受けながら自らも必死に手を動かす。滑りを良くするために唾液を垂らし、更に指を擦り付ける。 ビクリと何度も脈打ち、血管が浮き出し、独特の香りをさせながら黒のものが完全に勃った。　普段の倍になったそれに舌を這わせていく。 「…黒。ッ…どう……」 「…っ…ふ‥周」 上擦り高めの声で呼ばられれば感じているのだとすぐにわかった。それでも表情を変えない辺りまだ余裕があるみたい。 黒の舌が弧を描くよう自身を刺激したり、睾丸を舐められり絶妙な加減で与えてくる。 「ん、あ‥やぁ‥」 「いやなのか‥止めてもいいぞ‥」 「違っ‥そうじゃな‥あ‥ん‥」 くすぐる様に動いていた舌が止まった代わりに粘膜に覆われ咥えられた。ジュプッといやらしい音と黒の鼻息を聞きながら、眼前にある黒の先端を重点的に舐める。 「っ‥周…咥えろ‥」 「ん、あぁ‥わかって‥待って‥」 急かされながら黒のモノを咥え上下に頭を動かす。互いに舐め合い咥え合う行為は獣の様で、すごくゾクゾクする。 執拗に内腿や尻の合わせを巧みに撫でられると余計に煽られる。このまま先には進めないのに焦らさないでほしい。体が火照ってどうしようもないまま会議に出席するなんてごめんだ。 「んあ‥黒‥いい‥気持ちい‥」 「…ん‥っ‥」 余裕なさげに吐き出される息がかかるたびにぞわりと肌が総毛立つ。黒の限界が近いのだと感じられた。もちろん俺も限界だ。互いに激しく頭を動かしながらラストスパートをかけた。 「も‥っあ‥イ‥黒は‥」 「私もだ‥‥汚さず‥飲み込め‥」 咥えられながら舌が筋を舐めたり先端を攻められ、視界が白くなって黒の口内に精液を吐き出した。 黒の下腹部がキュッと動きそのまま切羽詰まった声を上げて達した。吐き出されたものを口で受け止める。久々で濃く苦いそれを堪能しながら嚥下した。飲み干す過程で口唇から零れ落ちた精液がシーツにシミを作った。それがひどくいやらしい。 「はぁ…あと一時間だぞ。起きて飯を食え…冷めてしまった」 「ごめんって…」 黒が眉間に皺を寄せて少し残念そうに言うもんだから、触れるだけのキスを落とした。不意打ちのキスに驚いた表情でこちらを見た後、俺を置いて足早にダイニングへと消えて行った。 まさかとは思うけど‥照れたりしてるんじゃ‥そう思うとニヤニヤが止まらない午前8時だった。