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第35話 満たされた心と体
達し終えた黒に押し倒されそうになり咄嗟に押し返す。まだ許すつもりはない。今夜は俺からリードしたい気分なのだ。
「おい、何を考えてる?」
「今日は俺が全部するから、そのままで居てよ」
「っ、気を使ってるのか?」
「それもあるけど、したくなったのも事実だよ」
そう言って黒にキスを落とした。まだ元気な彼の肉棒を掴み、今度は口に含んでみる。いつも好き放題されるから、ささやかなやり返しにもう一回くらいイかせてやりたくなった。
「ん、周…」
黒の声を聞き吸いつきながら顔を上下に動かす。やらしい水音と啜る音が更なる欲を搔き立てた。肉棒を咥えながらも自然と腰が動いてしまう。
「周、尻をこちらに向けろ。我慢できないだろう。満たしてやる」
「んん」
甘い囁くような誘いにまんまと乗り、黒の顔に陰部を近づけるように跨るとズボンを下着ごと下された。先走りが糸を引き、下着をぐっしょりと汚している。恥ずかしいが、黒の腹に精液を垂らしてしまう。
夢中で黒の肉棒を含み舌を巧みに動かし貪る。早く欲しくて堪らずひくりと蕾が動く。
「周、淫らな体になったな。こんなに先走りを零して、穴をひくつかせて、やらしいやつ」
「んん、はぁ、やら」
黒が舌を這わせるように肉棒を舐めてきた。堪らず声を上げながらも目の前にあるものにむしゃぶりつく。そのまま吸い上げるように何度も愛撫を続けた。
「ん、周、く、出る」
「はぁ、らひて…」
亀頭を重点的に咥え、来るべき射精に備えた。ドクドクと塊が脈打ち、口内に白濁が溢れた。満たされた精液を飲み込む。
そのまま余韻に浸っていると黒の巧みな舌が陰茎を刺激してくる。
「っん、や、まだ」
「遠慮するな感じさせてやる」
「んん、はぁ、黒の咥えただけでイきそうだったのに、そんなことしちゃ、やだ…」
「ふふ。全く、堪え性のないやつだな」
執拗に弱点ばかりを舐められ、狂おしいくらい感じてしまった。それなのにもっともっと求めてしまう。
「はぁ!んん、あ、そこ…」
「好きだろ。裏筋…」
「や、イイ、ん、好き、はぁ…」
腰をくねらせながら快楽を受け入れ、喘ぎが自然と漏れてしまう。塊を口に収められ出し入れを繰り返された。
「っん、あ、はっあ、ん、黒」
堪らず自らも腰を動かす。黒は躊躇なく喉奥まで咥え込んできた。強烈に気持ちいい感覚に思わずそのまま達してしまった。
「んああ!はぁ、っん、あーー!」
「ぐ、んく!っう!」
喉奥に出された精液をこぼすことなく全て飲まれた。苦しそうだったのが気になって、黒の上から退き瞳を覗き込む。
「ごめん。大丈夫?」
「ん、平気だ。心配してたのか」
「だっ、苦しかったでしょう。奥まで咥えてくれたし」
「苦しかったが、周は良かっただろう。イってくれただけで嬉しい」
黒からのまさかの言葉の数々に思わず涙が溢れた。俺を気持ちよくさせたくて頑張ってくれたんだって思ったら自然と溢れてしまった。
「なぜ泣くんだ?嫌だったならもうしないぞ」
「ちが、嬉しくて、黒がそこまで想ってくれてたなんて」
「周、泣くな。私はお前になら抱かれたって構わないと思ってるんだぞ」
「嘘。嬉しい」
黒の言葉に嬉しくてキスをしまくった。そして彼を抱くのはまたの機会にとっておこうと思う。楽しみはとっておきたい。
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