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居酒屋は先輩の会社から近く、先輩曰く歓迎会や忘年会にもよく使われる店とのことだった。 「じゃあ乾杯するか」 「今週も仕事お疲れさまです」 「サンキュ」 頼んだ料理は全部美味しくて、お酒が進んだ。先輩は顔が赤くなっている。 「先輩、顔赤いですよ」 「んーちょっと飲みすぎたかも」 「社会人なんだから調節してください」 「純に会えて嬉しくてさー」 先輩にとろんとした目で見つめられて、恥ずかしくなって氷が入ったグラスを先輩の頬に当てた。 「冷たっ!」 「そういう言葉は部屋で言ってください···」 「思ったことは口に出ちゃうからなー」 「少しは抑えてくださいよ···。そろそろ出ますか?」 「これ以上飲むと抱きしめたくなるから行くか」 ーこのままだと身がもたない 外に出ると夜風が気持ちよかった。 「いやー飲んだ飲んだ」 「そんなにお酒強くないんですから···」 「心配してくれてんの?」 先輩は相変わらずご機嫌だった。 「そ、そんなんじゃないです」 「大丈夫。こんな姿見せるの純だけだから」 「もう行きますよ!」 家に着いたのは21時過ぎだった。大学の合格発表後に急いで決めた部屋だが、家賃のわりに広く、気に入っていた。ただ、ベランダに屋根がないのは住んでから気付いた。 「おー綺麗にしてるなぁ」 「いつ誰が来てもいいようにしてます」 「俺以外にも誰か来んの?」 先輩が少しムッとして聞いてきた。 「···努だけです」 「それならよし」 「適当に座っててください。何か飲みますか?」 「お茶か水あれば」 「分かりました」 飲み物を持って、ベッドを背にして座っている先輩の隣に肌が触れるか触れないかの距離で座った。先輩はYシャツのボタンを外してネクタイを緩めた。 ー喉仏大きいな 無意識に先輩の喉仏に手を伸ばした。 「好きなだけ触っていいよ」 先輩が話すたびに喉仏が揺れる。 「先輩···好きです」 「俺も」 そう言うと僕の手を取って胸のあたりに置いた。鼓動が早くなっているのがはっきりとわかる。 「純といるといつもこうなんだよ」 僕も先輩の手を胸のあたりに置いた。 「僕のほうが早いです···」 「ほんとだな」 視線が重なり微笑み合う。 「もっと触っていい?」 先輩の指が服の上から僕の体をなぞる。 「···せ、先輩」 「嫌ならやめるよ」 低い声が耳元で響いて何も考えられなくなる。 「やめないで···」 唇が重なって持ち寄った熱が溶け合う。 「俺もう余裕ない」 汗ばむ肌から興奮が伝わってくる。 「ずっとこうしてたいです」 「お望み通りに」 ー先輩のことをもっと知りたい

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