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目が覚めると、可愛い寝顔が目の前にあった。 起こさないように静かにスマホで写真を撮り、待ち受けにした。 おでこにキスすると純が目を覚ました。 「おはよ」 「おはようございます。今何時ですか?」 まだ眠いのか大きなあくびをした。 「8時だよ」 「もうちょっと寝ましょう」 そう言うとさらにくっついてきた。 ー可愛すぎるだろ 「純、今度俺の母さんにも紹介したい」 「···」 「寝ちゃったか?」 「起きてますけど···大丈夫ですかね」 不安そうな顔をしていたので、もう一回おでこにキスした。 「きっと大丈夫だよ」 「···じゃあ会います」 「うん、ありがとな」 「実さん」 「ん?」 「大好きで···」 言い終わる前に唇を塞いだ。 「俺も大好きだよ」 みるみるうちに純の体が赤くなる。唇を下に動かして火照りを優しく食べていく。 「実さん···」 呼ぶ声が震えている。 「我慢しなくていいから」 手を繋いで一番熱いところを重ねあわせる。 リズム良く動く手にお互いの呼吸が荒くなる。 「···俺、もう··」 「僕も、もう···」 二度寝して、気づくと10時を過ぎていた。 「そろそろ起きるか」 起き上がろうとしたところを純に止められた。 「実さん···もう一回」 恥ずかしながらも甘えてくる純は反則的に可愛かった。 1階に下りると、誰もいなかった。 テーブルの上に買い物に行くから夕方ごろ帰る、と置き手紙があった。 「誰もいないのか?」 「買い物に出かけたみたいです。何か食べますか?」 「うん」 「じゃあ適当に作るんで待っててください」 手際よく料理をする姿は見ていて飽きなかった。 15分ほどで美味しそうなフレンチトーストが出来上がった。 「料理は小さいときからやってたのか?」 「お母さんの手伝いとかはよくしてました」 「お母さんの料理美味いもんな」 「作り方はなんとなく見て覚えました」 「へー」 甘い香りが口の中に広がる。 「味大丈夫ですか?」 「誰かさんみたいに甘くて美味しいよ」 「もー···やめてください」 「嫌だね」 「意地悪」 尖らせた口にフレンチトーストを一切れ持っていくと、パクっと食べた。 「なぁ、純」 「何ですか?」 「一緒に住もうか」 「えっ!?」 「今すぐじゃなくていいから。考えといてほしい」 よほど意外だったのか言葉の意味を理解するのに時間がかかってるようだった。 「嫌か?」 激しく首を横に振る。 「嬉しすぎて胸がいっぱいです」 純の頬に涙が伝う。 「もー泣き虫だなぁ」 俺ももらい泣きをしてしまった。 「後で親御さんに話そう」 「はい」

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