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旅館は写真で見るより豪華で素敵だった。
長い廊下を通って部屋に案内されると、窓から夕日に染まる山が一望でき、涼しい風が部屋全体を吹き抜けていた。
部屋は和洋室になっていて、寝室にはぐっすり眠れそうな広いベッドがあった。夕食は部屋で食べることになっているので、それまでゆっくりすることにした。
「いい景色だなー」
「連れてきてくれてありがとうございます」
景色を眺めている実さんに後ろから抱きついた。
「ご飯食べたら露天風呂に入ろう」
「はい」
荷物を置いて、部屋に置いてある浴衣に着替えた。
実さんは黒、僕は青の浴衣にした。
「純、似合ってる」
「実さんは似合いすぎです」
見慣れない姿になかなか目を合わせられない。
「こっち向いて」
「···かっこよすぎて見れません」
「似合ってるなら見てほしいんだけどなー」
顔を上げると、はだけた浴衣から素肌が見える。
「浴衣はだけてますよ」
直そうとして近付くと、キツく抱き締められた。
「作戦成功」
「もしかしてわざとですか?」
「うん。ギュってしたくて」
「言ってくれたらするのに」
「純、浴衣姿可愛すぎ」
そう言って、実さんは浴衣の上から僕の弱いとこに優しく触れていく。
「み、実さん···」
漏れる息を実さんの唇が塞ぐ。
もう我慢できない、と思ったとき実さんが耳元で囁いた。
「続きはまた後で」
持て余した熱が冷めるまで時間がかかった。
夕食の時間になると、仲居さんが一品ずつ料理を運んできた。山の幸から海の幸まで種類が豊富で、どれも目に鮮やかで美味しかった。
「約束守ってくれましたね」
実さんは最初の1杯だけビールを飲んで、後はノンアルコールにしていた。
「奥さんの言うことは絶対だからな」
そう言うと浴衣の帯を緩め始めた。
「早くしないと全部脱ぐぞ」
少しずつ露わになる肌が赤みを帯びている。
それを見ていてもたってもいられず、グラスに残った氷を口に含んで実さんにキスをした。
「露天風呂行こうか」
「はい」
露天風呂は檜造りで、部屋からも見えた山を臨めるようになっていた。
「純、脱がせて」
実さんの浴衣を一枚一枚剥がしていく。
何回見ても見惚れてしまう体だ。
「実さん、脱がせてください」
優しく、ゆっくりと、焦らされながら剥がされる。
さっき冷めたはずの熱が戻ってきた。
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