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実さんに手を引かれて、湯船に浸かった。ひんやりした空気と温泉とのギャップが心地いい。
とろんとしたお湯は肌にまとわりついて、天然の美容液みたいだ。
「純、おいで」
実さんの隣に座って、頭を肩に乗せた。
ー熱が暴れ出しそうだ
「さっきの続き···しませんか?」
実さんの手を握り、勇気を出して聞いてみた。
「俺も同じこと思ってた」
そう言うと、僕の体を持ち上げて縁に座らせた。
いつも以上に熱い唇が体に印を残すように、吸い付いては上下に移動する。一番触れてほしいところから蜜がこぼれて、実さんの肩を掴む手に力が入る。
「我慢しなくていいよ」
そう言ってこぼれた蜜を舌で絡め取る。
刺激が強くて、思わず声が漏れる。
「み、実さん···」
「いいよ、出して」
咥えられたままで蜜があふれ出した。
ゆっくりと味わうように実さんは飲み込んだ。
ー熱が冷めない···
熱は冷めるどころかさらに膨らんでいく。
見られたくなくて実さんに抱きついた。
「純、どうした?」
「実さん···全部ください」
「了解」
お湯で柔らかくなったところに実さんの指が吸い込まれて、指が増やされる度に何も考えられなくなっていく。指が抜かれ硬いものが当たった。
「···入れるよ」
実さんが波のように寄せては返っていく。
動きに合わせて2人の呼吸が重なり、1つになる。
「純、エロすぎ···」
唇が重なり舌が絡まり合う。
「実さん···もっと」
首に手を回して、さらに深く知ろうとする。
実さんが一番奥まで来たとき、2人とも果てた。
部屋に戻ってベッドに横になると、実さんが腕枕してくれた。
「約束守ったからご褒美ちょうだい」
実さんは右頬を膨らませている。
「どうぞ」
軽くチュッとすると実さんは満足気だった。
「実さん」
「ん?」
声が少し眠そうだった。
「好きが止まらないです」
もう一度右頬にキスをした。
「俺も純が可愛すぎて仕方ない」
そう言って実さんは薬指の指輪にキスをした。
「離さないでくださいね」
「離すわけないだろ」
実さんの体温を感じながら眠りについた。
次の日、窓から射し込む光で目が覚めた。昨日と同じく快晴で山の緑がさらに綺麗だった。
肌寒かったので、浴衣を軽く羽織って景色を眺めていると、実さんが後ろから抱きついてきた。
「おはよ」
「おはようございます」
「綺麗だな」
「綺麗ですね」
「景色もだけど、純も」
肌が赤く染まっていく。
「朝食の前に食べていい?」
そう言うと浴衣を脱がされた。
「好きにしてください」
言い終わる前にお姫様抱っこで露天風呂に連れてってくれた。
「言ったな。覚悟しろよ」
「望むところです」
ー帰りたくないな
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