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実さんがいてくれたおかげか、順調に回復して翌日には家に帰ることができた。 「今日は家でゆっくりしよう」 「はい」 家に帰って、約束通り膝枕をすることになった。 「なんか新鮮です」 「何が?」 「いつも実さんのこと見上げてばっかりなんで」 「たまにはこういうのもいいだろ」 「うん」 なんてことない会話が幸せなことだと痛感した。 「純?」 返事がないので、見上げると寝ていた。 口が半開きになっていて少しだけ間抜けな顔をしていた。 昨日知らない番号から電話があり、出てみると純が熱中症で倒れたという病院からの電話だった。搬送中ずっと俺の名前を呼んでいたらしい。 考える前に先に体が動いていた。 ただただ無事でいてくれ、と思い全力で走った。 安静にしていれば大丈夫とお医者さんから聞いたときは、ホッとしてしばらく動けなかった。 いつの間に眠っていた。 実さんを見ると気持ちよさそうに寝ている。 起こさないようにそっと顔を近づけてキスをした。 離そうとしたとき首に手が回された。 「起きてたんですか?」 「いや、純のキスで目が覚めた」 「おとぎ話みたいですね」 「じゃあ純が王子様だな」 「実さんのほうが王子様が似合います」 「そうか?」 「そうです」 「じゃあお姫様にキスしないと」 そう言って何回もキスをした。 「ベッド行きませんか?」 「病み上がりだから無茶するなよ」 「実さんが欲しいです」 「会えなかった分、全部あげる」 手を繋いだままベッドに移動した。 お互いの服を脱がせて肌を重ね合う。 息が、鼓動が、体温が、気持ちが1つに溶け合う。 「上に乗って」 実さんの上にまたがって体を繋ぎ直す。 「動いて」 上下に動くとさらに奥に入っていく。 「いいよ、そのまま」 腰に実さんの手が添えられてリズムが速くなる。 触れられていないのに、熱が溢れそうだ。 「実さん···」 「我慢しないで」 「もう···」 実さんの体に滴が落ちる。 「純、こっち見て」 実さんの顔を見ると、再び体が上下する。 吐き出したはずの熱がまだ残っていた。 「実さん···」 「ん?」 「おかしくなりそうです···」 実さんが体を起こして強く抱きしめられる。 「···俺も」 次の瞬間、中が満たされていくのがわかった。 僕はもう一度、熱を吐き出した。

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