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報告−1−
四十九日法要で宇都宮に帰る日、つまり俺たちの結婚を報告する日が明日に迫った。
法要には俺と純、父さんと茜、純のお母さんが参加する予定だ。お祖母ちゃんは腰が悪いので参加しないことになった。
「今から緊張してきました···」
純は落ち着かない様子で部屋を行ったり来たりしている。
「おいで」
体を掴んで隣に座らせた。
「実さんは緊張しないんですか?」
「緊張してるけど、不安なことはないだろ?」
「それはそうですけど···」
いつもの癖で口を尖らせている。
口元に指を持ってくとパクっと食べた。
「遊ばないでください···」
恥ずかしそうにこっちを見ている。
「じゃあ咥えなきゃいいのに」
「反射的に動いちゃうんです」
「魚みたいだな」
冗談を言うと指を甘噛みしてきた。
痛いというより気持ちよかった。
「もっと食べて」
純の耳元で囁くと、瞬く間に体が赤くなる。
「敏感だな」
指で体をなぞると声が漏れ出した。
「み、実さん···」
耳、首、胸と唇を下に滑らせる。
「俺だけが純のいいところ知ってるって堪らない」
服を脱がして熱を持った塊を食べると、口の中でどんどん大きくなっていった。焦らすために自分から動かないようにした。
「意地悪···」
そう言うと純が腰を振り始めた。喉の奥に固いものが当たる。動きに合わせて口を上下に動かすと熱がこぼれ始める。
呼吸が荒くなったのを確認して口を離した。
純が熱を持て余して、自分で扱いてる姿に熱が暴れだしそうだった。
「み、実さん···」
「まだだめだ」
手を掴んで頭の方に持っていき、ゆっくりと1つに繋がった。
「動くぞ」
激しくなる動きに汗が滴る。
「もっと···もっと」
より深く届くように純を抱きしめて、2人とも熱を吐き出した。
純がシャワーから戻ってくる前に、サプライズで買った指輪を引き出しから取り出した。普段付けていても違和感のないシンプルなデザインの指輪にした。
シャワーから戻ってきて実さんに髪の毛を乾かしてもらったあと、黒い箱を渡された。
「何ですかこれ?」
「開けてみて」
開くとシンプルで綺麗な指輪が入っていた。
「はめてみて」
取ると裏側に文字が刻印されていた。
Believe yourself, Believe ourselves
ーあなた自身を信じて、僕達自身を信じて
左手の薬指にはめると光が反射して七色に光った。
「綺麗ですね」
「うん」
重ねた実さんの左手にも同じ指輪が光った。
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