55 / 61

報告−1−

四十九日法要で宇都宮に帰る日、つまり俺たちの結婚を報告する日が明日に迫った。 法要には俺と純、父さんと茜、純のお母さんが参加する予定だ。お祖母ちゃんは腰が悪いので参加しないことになった。 「今から緊張してきました···」 純は落ち着かない様子で部屋を行ったり来たりしている。 「おいで」 体を掴んで隣に座らせた。 「実さんは緊張しないんですか?」 「緊張してるけど、不安なことはないだろ?」 「それはそうですけど···」 いつもの癖で口を尖らせている。 口元に指を持ってくとパクっと食べた。 「遊ばないでください···」 恥ずかしそうにこっちを見ている。 「じゃあ咥えなきゃいいのに」 「反射的に動いちゃうんです」 「魚みたいだな」 冗談を言うと指を甘噛みしてきた。 痛いというより気持ちよかった。 「もっと食べて」 純の耳元で囁くと、瞬く間に体が赤くなる。 「敏感だな」 指で体をなぞると声が漏れ出した。 「み、実さん···」 耳、首、胸と唇を下に滑らせる。 「俺だけが純のいいところ知ってるって堪らない」 服を脱がして熱を持った塊を食べると、口の中でどんどん大きくなっていった。焦らすために自分から動かないようにした。 「意地悪···」 そう言うと純が腰を振り始めた。喉の奥に固いものが当たる。動きに合わせて口を上下に動かすと熱がこぼれ始める。 呼吸が荒くなったのを確認して口を離した。 純が熱を持て余して、自分で扱いてる姿に熱が暴れだしそうだった。 「み、実さん···」 「まだだめだ」 手を掴んで頭の方に持っていき、ゆっくりと1つに繋がった。 「動くぞ」 激しくなる動きに汗が滴る。 「もっと···もっと」 より深く届くように純を抱きしめて、2人とも熱を吐き出した。 純がシャワーから戻ってくる前に、サプライズで買った指輪を引き出しから取り出した。普段付けていても違和感のないシンプルなデザインの指輪にした。 シャワーから戻ってきて実さんに髪の毛を乾かしてもらったあと、黒い箱を渡された。 「何ですかこれ?」 「開けてみて」 開くとシンプルで綺麗な指輪が入っていた。 「はめてみて」 取ると裏側に文字が刻印されていた。 Believe yourself, Believe ourselves ーあなた自身を信じて、僕達自身を信じて 左手の薬指にはめると光が反射して七色に光った。 「綺麗ですね」 「うん」 重ねた実さんの左手にも同じ指輪が光った。

ともだちにシェアしよう!