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第3話
side悠
「お待たせいたしました」
さっきの店員さんが料理を運んできた。
「こちらがハンバーグセットと白ワインです」
「ありがとうございます」
「そしてこちらが鶏肉のドリアでございます」
「うわぁ…」
自分の前に置かれた料理はシンプルなドリア。
だが上にのせられたチーズと鶏肉の芳ばしくいい匂いが漂ってきた。
「こちらはメニューには載っていないのですが、実は私の得意料理なんです」
「そうなんですね…あ…あの、ありがとうございます!とても美味しそうです」
メニューに載っていないことが引っかかったが、あまり踏み込まない方がいいかなと思いつつ、言っていなかったお礼を言った。
俺のお礼に彼は優しく微笑み
「ごゆっくりお寛ぎください」
と言ってカウンターへ戻って行った。
「悠?」
「あ、ごめん。食べよ!」
手を合わせてもう一度料理を眺め、ドリアをスプーンで掬い口へ運ぶ。
「っ〜~うま…」
「こっちもめっちゃ美味しい…」
(こんな美味しいドリア初めてだ…)
普通の白飯ではなくバターライスがつかわれていた。
チーズと鶏肉の芳ばしさとバターの風味が絶妙なバランスだった。
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