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第4話

side悠 「あー、美味しかった…」 「ですね。ほんとに美味しかったです…」 他愛のない話をしながら、料理を食べ終えた。 出された料理が美味しくて、食べ終わった時の満足感がすごかった。 「失礼致します」 先程料理を運んでくれた店員さんがきた。 店員にしては自由だなと思いながら彼を見た。 「お味はどうでしたか?」 「え、あ…とても美味しかったです」 「それは良かった」 とても綺麗な顔をした彼が柔らかな笑顔をしたので、ついみとれてしまった。 ずっとみていたせいで彼と目が合ってしまい、気まづくて目をそらす。 「クス…あの、よろしければデザート試食をしていただけないでしょうか?」 「へ…」 千世とと目を合わせると、甘いもの好きの千世の目はキラキラしていた。 (まぁ、俺も甘いもの大好きだけどね…) 「俺たちで良ければ…」 「ありがとうございます。お持ちしますので少々お待ちください」 彼が厨房へ戻るのを見て、千世へと視線を移す。 すると、彼はとてもニヤけていた。 「なに、その顔…」 「いやぁ、べーつにー」 意味深なことを言う千世をジト目で見る。 「普段は他人にあんまり興味示さない悠が、人をじっとみてるのが珍しかっただけ」 「え、俺そんなに人に興味なさそうに見える?」 「んー、興味なさそうってか、人を見る目が独特ってか」 千世の言う意味を理解出来ず頭にはてなマークを浮かべてしまった。 「まぁ、いいことだからあんまり気にすんな」 「むぅ…なんだかなぁ…」 言われたことに納得がいかず、モヤモヤとしたものが渦巻いた。

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