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第11話

side悠 カランカラン 「やっぱり空いてた。慧杜は…あ、いたいた」 男性の言う通りドアは空いていて、中へ入った。 「慧杜ー、起きろー」 「ん…あれ、梓佐?」 店内には昨日接客してくれた彼がいた。 そして目が覚めた慧杜と呼ばれた彼と目が合った。 (あれ、なんでドキってしたんだろ…) 「あれ、お客さん?…て、俺寝てた…?」 俺と一緒に店内へ入った梓佐と呼ばれた男性がオイオイと苦笑しながら呟いた。 「いらっしゃいませ。今日はおひとりなんですね」 「あ、はい…」 慧杜の優しい瞳に見つめられ、ドキッとした。 「こちらへどうぞ。梓佐も」 梓佐とカウンター席へ案内される。 慧杜はカウンターの中へ行き、メニューを出してくれた。 「食べ物は軽いものならすぐにお作りできます」 「じゃあ…カプレーゼと柑橘系のノンアルコールをお願いします」 「かしこまりました」 俺の注文を聞いたあと、梓佐にいつものかと確認してから飲み物を作り始めた。

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