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第15話
side悠
「ぇ…」
驚きすぎて、言葉が詰まってしまった。
「世間って狭いんですね…」
「そうですね…」
梓佐の言葉に頷く。
高校を卒業してから全く連絡していなかった瑠依の名前が出て、とても逢いたくなった。
瑠依のシフトが気になって、でも個人情報だなよなぁと思いながらも、ダメ元で慧杜に瑠依のシフトを訊ねた。
「瑠依くんのですか?本当はダメですが、大切なご友人のようなので特別ですよ」
慧杜が人差し指を唇にあて悪戯っ子のような顔で微笑む。
慧杜に見られドキッと心臓がはねる。
(…俺なんでドキドキしてんの…慧杜さんかっこよすぎる…)
「瑠依くんは主に昼のシフトに入ってくれています。お昼の時間に来ていただければ、お逢いできるかなと」
「そうなんですね…ありがとうございます」
「最近暇を持て余しているようですので、外に連れ出してあげてください」
梓佐が瑠依のことを結構知っているように感じ不思議に思ったが、瑠依に逢いたい気持ちが勝りはい、と返事していた。
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