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緊急配信!? クイーン・ビー・エクスプレス
「どうもこんにちは、航生です」
「慎吾です」
「えっと...ですね、ちょっと様子がおかしいとは思うんですが、本日のエクスプレスは俺達二人でお送りしていきます」
「ほら、まずはね、大阪と東京のイベントが無事に終わりまして...会場に来てくださった皆さん、あと有料にも関わらず配信ででも楽しんでくださった皆さん、本当にありがとうございました。いやぁ、俺らもメッチャ楽しかったやんな?」
「そうですね。質問コーナーとかちょっと恥ずかしかったし、歌なんか歌わされちゃって下手くそなのに踊りまであって、なんだか皆さんに申し訳なかったんですけど。でもものすごく盛り上がっていただけたおかげで本当に楽しい時間になったと思います」
「みっちゃんからの大事な話もあったしね」
「俺らは早いうちから聞いてたんですけど、いきなり聞かされたファンの人達は本当驚いたと思います」
「でね、ほんまやったらこの場で改めてみっちゃんからこの場で引退についてとか、これからの事とか、今日色々話してもらう予定になっててんけど......」
「えーっと...ですね、あの...皆さんももうご存知だとは思うんですが、先週の東京でのイベント後に写真週刊誌が発売されまして、そこにみっちゃんの写真が掲載されました」
「今日はその出版社さんから許可をもうてるんで、ちょっと皆さんに写真見てもらいながら記事の内容紹介しますね」
「タイトルからして衝撃でしたよね...『やはりビジネスゲイ!? アイドルAV男優の過ごした裏切りの熱帯夜』ですから」
「サブタイトルが『衝撃の引退発表直後、ナニワ美女とラブホで×××』やし。で、撮られてた写真がコレなんですが......」
「......みっちゃんですよねぇ、どう見ても。間違いだって言いたいとこですけど、さすがにこの大きさは間違えようが......」
「せやねん、どう見ても寸法おかしいもん。んでな、あのみっちゃんと並んでもそない身長差が気になれへんとかさ、この相手の女の子も相当背ぇ高いやろ」
「低めとはいえ、ヒールの靴履いてこれくらいなら、俺とあんまり変わらないくらいかもしれないですね」
「大阪のイベント終わりに打ち上げがあってんけど、その後の話なんやろ? 俺、あの時ちょっと酔うてもうてたからはっきりわかれへんねんけどさぁ」
「そうですね。みっちゃんは先にコッソリ抜けてたんで、打ち上げの後って言うよりたぶん真っ最中だと思いますよ」
「記事によると、居酒屋から一人出てきたみっちゃんは、待ち合わせた美女と仲睦まじく手を繋ぎ、そのままラブホに直行した...との事なんですが......」
「これってね、ほんと裏切られた気分じゃないですか? イベントでもあんなにさんざん『勇輝さんLOVE』をアピールしといて、実は大阪に彼女いたとか」
「これ、大阪に彼女がおったって言うより、わざわざ東京から連れて行ってたんちゃうの? 3時間ちょっとホテルにおったらしいんやけど、何がビックリってこの彼女、俺らとおんなじホテルに宿泊させてんねんで!?」
「俺らとって言うより、勇輝さんも泊まってるホテルですからね。それも周りを警戒するみたいに時間差でホテルに入ったそうですし」
「そら『ビジネスゲイ』とか書かれてもしゃあないよな。勇輝くんとの関係を公にすることで、グラビアやら写真集やら大きい仕事やってんねんから。勇輝くん、こんな写真出て落ち込んでんちゃうん? 航生くん、連絡取った?」
「いえ、気になってメールはしてみたんですけどね...返事が無いんです。そりゃあメチャメチャ傷ついてると思いますよ」
「そうよな...ほら、世間的にはみっちゃんが勇輝くんにメロメロ過ぎて本番やめたとか言われてるけど、そんなもん、勇輝くんかて大概メロメロやでなぁ」
「イベントに来てくれた人なんかだと特によくわかったと思うんですけど、ほんと勇輝さんてみっちゃんの事が好きで好きで仕方ないんですよね。お互いに強い気持ちで結ばれてる最高のパートナーだと思ってたし、俺達もあんな風になりたいって思ってたから...俺も結構ショックです」
「俺も。何よりな、イベント来て二人を心から応援してるって言うてくれてたファンの人達に、ほんま申し訳ないって思う」
「思いますよ! 元々ドSで人の事からかったりおちょくったり、エロかったりエロかったり意地悪だったりエロかったりエロかったり......」
「エロばっかりやん」
「とにかく! ろくでもないエロ人間だとは思ってましたけど、まさかあの勇輝さんの事を裏切ってたなんて...」
「ほんまやん...そらな、勇輝くんにも悪いとこはあったんやと思うで? エロオーラ満開やし、妖しい色気駄々漏れやし、アブノーマルやしチンコ付いてるし......」
「そこ、悪いとこですか?」
「俺にとってはエエとこやけど、普通の男にとっては悪いんちゃうん?」
「俺にとっても、付いてるのは良い所ですよ?」
「んもう...航生くんは普通の男ちゃうもん。極上の男やん?」
「.....極上になれるようにもっと努力しますね」
「どうしよう...俺、もっともっと惚れてまう」
「いいですよ、もっともっと惚れさせます。まあ一旦俺達の事は置いておいてですね、問題はこっちの二人ですよ」
「鬼畜なみっちゃんとドMな勇輝くん...ほんまにお似合いやと思うててんけどな......」
「鬼畜な上にクズですからね! ほんとにもう、人間としてこんな最低な......」
「......お~い。時々しれっとノロケ混じりの悪口コント、まだ続くのかよ」
「うわっ、最低のクズだ!」
「お前、ほんとマジで今度一回シメるから覚えてろよ」
「うわ~、怖い怖い。ナニワ美女に助けてもらわなくっちゃ」
「ていうか、ちょっと出てくんのん早ない?」
「アホか。お前らのバカバカしいやり取りに我慢できなくなったんだよ! という事で、遅ればせながら...どうも、みっちゃんで~す」
「はい、本人登場って事でですね、これからこの記事の本質をズバッと鋭く抉って聞き出したいと思いま~す...航生くんが」
「えーっ? 俺が聞き出すんですか?」
「聞き出していただかなくて結構。ちゃんとこれから俺が自分でぜ~んぶ説明します!」
「はい、そしたら次からのコーナーで、この裏切りの熱帯夜の真相を語ってもらいたいと思いま~す」
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