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俺、今から浮気します【7】

  「なあ、瑠威。ちょっと聞いていい? アナルセックスが気持ち良くないってのは、それは痛いだけってことか? 実際入れられたらどんな感じなの?」 膝の裏側を自分でしっかりと抱えさせ、粘り気の強いローションをトロリとチンポに垂らしながら尋ねる。 俺の質問に、瑠威は少しだけ困ったような顔をして首を小さく横に振った。 「撮影の前に...一応プラグで広げてるから...そんなに痛くは...ない...ただとにかく...吐きそうになるくらい気持ち悪くて...ほんとに吐いた事もあるけど...みんなニヤニヤ笑うだけで...止めてくれなくて...」 「ん? プラグで広げるのか? 相手役にやってもらうわけじゃなくて? えっと...じゃあさ、初めての時は?」 「初めての時だけは、初心者用のアナルバイブとビーズ使ってスタッフがやってくれたけど...それからはだいたい...自分で先に広げとく」 「マジか!? 充彦、ゲイビってそういうモンなの?」 「どうなんだろうなぁ...ゲイビ業界全部がそういうわけじゃないとは思うんだけどな。ただ俺も初めての絡みの時は、ちょっと指で慣らしただけであとはもうバイブとか使われたわ。ソイツと一緒だったもん...痛いっつうよりも気持ちが悪いばっかりで、ケツ全然ダメだった」 なるほど...いわゆる普通のAVならば、女の子が愛撫に感じて、少しずつ乱れていく様をそれなりの時間をかけて撮影する事が多い。 それは、その事にこそ興奮する男性と、そうされる事に憧れる女性が『購買層』として多く存在するからだ。 俺や充彦が出演する事の多い、いわゆる『ストーリー仕立て』の内容であれば、その傾向は顕著になる。 声を出してはいけないだとか、人に見られるかもしれない...なんてシチュエーションにオプションが付く事はあるが、どんなシチュエーションにしても挿入の前に相手をたっぷりと感じさせてやる事に変わりはない。 しかし、ゲイビデオの場合は結局『挿入』にのみ重点を置きがちなんだろう。 そこに至るまでの過程は、どうしても多少おざなりになってしまう物なのかもしれない。 収録の時間が限られている中で、タチネコが入れ替わる事が多いというのも理由の一つなんだろう。 真性のゲイであっても、挿入だけはできないって人もいる。 痛みや恐怖心、違和感や圧迫感をどうしても快感へと昇華させられないのだそうだ。 行為に慣れきった俺だって、大した前戯も無いままでいきなりバイブだのビーズだので攻められたら、緊張でアナルの強張りはなかなか取れないだろう。 そのまま頭と体が同調できず、快感を拾い上げる事も難しいかもしれない。 瑠威のようにノンケであれば、尚更時間をかけて慣らしてやるべきだっただろう。 そう思えば、ごく普通のアナルセックスを撮影するだけでも結構な苦痛だったに違いない。 おまけに、おそらくは強気な瞳の瑠威が苦痛に顔を歪ませている姿が客から受けたんだ...だからきっと誰も少しの快感も、苦痛から逃れる術も与えようとはしなかった。 彼らにとっては、瑠威の快感よりも苦悶の表情こそが『売り上げ』だったから。 俺が現場で見たDVDを『これが瑠威の代表作なのか?』と聞いた時、スタッフはどんな反応をした? 戸惑ったような、困惑の苦笑いで誤魔化そうとしたじゃないか。 あれこそが答えだ。 快感など知らない、苦しむ瑠威の姿が...きっと代表作... 辛かったろう。 苦しかったろう。 こうして話をしながら気持ちを少し落ち着かせてやり、丁寧に時間をかけてさえやれば本人にとってもっと撮影が楽な物になったはずなのに。 結果、3年近くこの仕事を続けていながら、キスにもセックスにも何ら快感を得る事もできない、ただ美しいだけの体が完成してしまった... それでも辛いはずの『ゲイビモデル』という仕事を辞めなかった瑠威は、思っていた以上に根性の据わった男なのかもしれない。 「わかった...いいか? お前の事、これからちゃんと気持ち良くしてやる。セックスって気持ちいいんだって教えてやる。ただし、これはあくまでもお前にとってお勉強だからな。俺の言ってる事とか動きとか、しっかり頭と体に叩き込むんだぞ」 たっぷりとローションを纏わせたチンポを優しく扱きながら、そっと右手の中指でアナルの縁を撫でる。 たったそれだけで震えるほど体が強張るのは、もうすっかり『これから起こるのは不快な事』と頭の中にインプットされているんだろう。 俺はその無駄な緊張が解けるまで、ただひたすらローションにまみれた指で優しくクルクルとそこを擽る。 それ以上には事を進めようとしない俺に、瑠威は一層不安げな瞳を向けてきた。 「どした?」 「いや...その...しねえの?」 「バ~カ、さっきも言っただろ。するよ、勿論。でもな、まだお前の体も気持ちも、俺を受け入れる準備できてねえもん。今こんな状態で突っ込んだら、撮影で吐きそうになる...って時と変わんないから。あ、これも大事な事なんだぞ。体の準備ができてるか、本当に俺を求めてるのか...そんな気持ちをちゃんと推し量ってやるのは、撮影でもプライベートでも関係ない。例え相手が男でも女でも同じだから、ちゃんと覚えとけよ?」 アナルとチンポを変わらずそっと触りながら、俺は折り曲げられた太股の内側へとゆっくり舌を這わせる。 途端にチンポがピクンと跳ね、後孔がキュンと締まった。 「ここ、気持ちいいのか?」 「...知らねえよ...そんなん...く、くすぐったいだけだ...」 「ったく、可愛いげない口だなぁ。ほれ、もうちょっと色っぽく甘えてみ?」 「色っぽいとか意味わかんねえし...だいたい...ンっ...ふぁぁっ...」 とりあえず色気の無い口は黙らせてやろうと、脚の付け根の皮膚の薄い所に痕が残るほど強く吸い付いてやった。 筋に添って舌を這わし、時折軽く歯を立てる。 「あっ...そ、それ...嫌だ...」 きっと本気で嫌なわけじゃない。 現にチンポはしっかりと勃ち上がり、その腰は無意識のまま小さく揺れている。 ただ今の瑠威は、慣れない刺激をまだ『快感』として認識できてないだけだ。 竿を扱く動きを早くしながら、俺は脚の付け根への愛撫を続けた。 「あっ...あ...ちょっと...やぁ...」 ローションとは違うヌメリが俺の手を濡らす。 「気持ちいいだろ? ほら、ちゃんと腰動き出してる。強がらなくていいし、我慢もしなくていい。声出るなら、抑える必要もないんだよ。これは撮影じゃないんだから、イケそうなら自分のタイミングでイッていいからな。まあ、先に一回出しといた方が、たぶんこの後も楽だし」 じっくりとその震える体を見つめながら、一番反応が大きい場所を探る。 「ああ、ここか...」 内腿の赤黒い痕に更なる痕を重ね、より強くそこを吸い上げながら親指で亀頭の裏側を擦る。 途端にその体は、まるで自ら刺激を求めるように大きく腰を揺らめかせ始めた。 「ヤバい...ヤバいよぉ...出る...出ちゃう...」 「うん、いいから一回出せ...大丈夫だから。とにかく全部俺に任せて、お前はただ素直に気持ち良くなったらいい」 本当にいいのだろうか...俺にお伺いを立てるかのように見つめる瑠威の目。 俺はそれ以上何も言わず、ただ笑いかけてやる。 裏側を擦る親指に少しだけ力を入れれば、瑠威は安心したように固く目を閉じる。 「アァッ...俺、変...勇輝...さん...勇輝さん...俺...イク...イッちゃう...」 グンと体に力が入り、仰け反るように腰を突き上げる。 その瞬間手の中のモノはドクンドクンと脈を打ち、俺の手にも瑠威の腹にも白い雫がボトボトと飛び散った。

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