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ふたりのカタチ【11】

以前ここでマットを敷いて遊んだ時に使った物が残っていたはず...窄まりに俺の先から滲んでくる液体を擦り付けながら、シャンプーを置いているスタンドの方に右手を伸ばす。 「充彦...俺、舐めようか?」 そんな余裕なんて無いくせに、俺の手の動きを察したのか、頬をペタンとタイルに寄せたまま、勇輝がうっとりとした目線を送ってきた。 シャンプーボトルの後ろに目的の物を見つけ、ニッと笑いながらそれを手の中に収める。 「今日の勇輝だと、俺の舐めながら自分で扱いちゃうだろ? でもね、今日はダメ~。ただひたすら俺で感じてなさい。どうしても触って欲しかったら触ってやるから、その時はちゃんと言って? わかった?」 勇輝の方に小さなボトルをチラチラと振って見せる。 安堵と同時に、少しだけ残念そうにも感じる苦笑い。 舐めたかったのかよと俺も同じような顔で笑ってみせた。 ボトルの蓋をパチンと開けると、勇輝はタイルに着いていたはずの手を後ろに回し、自分の手で尻を左右に開く。 「大丈夫、もうそんなことしなくていいよ。勇輝はいっぱい感じる準備してて」 その手を取り、改めて勇輝の顔の横に戻させると、俺の手で尻を割り開く。 そこは呼吸でもするように、緩やかに収縮を繰り返していた。 俺が散々塗り広げた先走りが、その縁でヌラリと光っている。 「ゴム無いけど、いい?」 ボトルを逆さまにし、少し高い位置からそれを尻全体にドロリと押し出した。 想像以上に冷たかったのか、奥まった場所が一瞬だけキュウと縮まる。 と同時に、勇輝の恐ろしく綺麗な背中が不規則に小さく揺れた。 どうやら笑いを押し殺しているらしい。 「何? どした?」 「ククッ...だ、だってぇ、『ゴム無い』とかすごい今更だし...んなの最初からわかってんじゃん。おまけに『いい?』とか聞いといて、問答無用でローションぶちまけてるし」 なるほど、言われてみれば確かにそうか。 一応質問はしてみたものの、その質問への答えは求めていない。 まあ答えはわかっているが、ここはとりあえず確認しておこうか。 「勇輝さ~ん、このままだと生姦になっちゃうんですけどぉ、続けてもいいですかぁ? それともなんなら、ベッドまで我慢しますぅ?」 「うわっ、何それ? なんか激しくムカツクんですけど。んもう...何でもいいから早く入れて」 クスクスと笑い続ける勇輝は、ようやくいつもの顔に戻ったような気がする。 自分でもそれがわかったのか、まるでふざけるように誘うように、ローションまみれの尻を俺に向かってフルフルと振ってきた。 尻から垂れて太股の方へと伝っているローションを指で掬い取り、それを俺の物にたっぷりと纏わせる。 すっかり膨れ上がり真っ赤になった先端を、その息づく中心へと押し付けた。 それに合わせるように勇輝から笑い声が消え、代わりに体の力を抜くためのゆったりとした呼吸音が聞こえる。 俺は見ている物、聞こえる音、触れている熱にすべての神経を集中した。 勇輝の求める物を勇輝の求めるタイミングで与えてやる為。 息を吐ききる瞬間に、竿を支える手に少しだけ力を込めた。 大きな抵抗もなくそこは膨らんだ先端を飲み込み、俺の物は熱い粘膜にじわりと包まれていく。 「痛くないか?」 声をかけながら、右手に残るヌメリを勇輝のペニスになすり付けた。 完全に息を吐ききってしまうと進む動きを止め、さっきよりも幾分落ち着いてしまっている場所を丁寧に揉みしだく。 また勇輝のゆっくりと息を吸って吐いてというリズムに合わせ、俺は更にその最奥を目指した。 時折中を強く擦るように角度を変え、捏ねるように腰を回す。 その頃には勇輝の物を緩く扱く俺の右手は、ローションとは違う物で更にヌメリを増していた。 規則的だった勇輝の呼吸が、少しずつ熱く乱れていく。 俺が動かなくても勇輝の腰が無意識に揺れ始めた。 「みつ...ひこぉ......」 蕩けそうなほどに甘い声は、すべての準備が整った証拠。 そのタイミングを逃さず、俺は一気に自分のすべてを奥に叩き付けた。 「っはぁっ...あぁぁ......」 それ以上は進めないという場所まで進むと勇輝の体が大きくしなり、全身がビクビクと震えた。 俺を包む粘膜がうねり蠢動し、すべてを搾り取ろうと一気に温度を上げる。 ひとしきり勇輝が落ち着くのを待つ為、俺は一旦動きを止めた。 挿入の衝撃と快感で勇輝が軽い絶頂を迎えるのは珍しい事じゃない。 だからこうして動くのをやめ、波が過ぎるのを待つのはいつもの事だった。 ......いや、いつもと同じはずだったのだ。 しかし今日は、どこかいつもとは違う。 小さな痙攣が収まらず、それがきつく俺のペニスを締め付ける。 まさか本当にイッたのかと前に手を回してみれば、そこはしっかりと硬さを保ったまま、まるで蛇口の壊れた水道のようにボトボトと雫を溢れさせ続けていた。 体を支える内腿にまでその震えは伝わり、カクンと膝が折れる。 「勇輝っ!」 慌てて腹に腕を通してしっかりと体を支えると、それだけで俺にまとわりついていた粘膜の動きと熱は更に上がった。 「あぅっ...ん...充彦、充彦ぉ...俺、変...変だよ...おかしくなる...っうん...力、入...んない...なんか変......」 タイルに着いていた手の力も抜けてきたのか、ズルリと上半身も崩れそうになった。 一先ず俺の体で支えようと、そのまま勇輝の体をぐいと壁に押し付ける。 止めてやった方がいいのだろうか...俺を締め付ける力に自分の方こそ熱い息を吐きながら、俺は必死に欲を抑え込もうとした。 「大丈夫か?」 またビクンと体が跳ねた。 俺の声にすらいちいち中も外も反応する姿に、思わずそのまま後ろからグンと突き上げてしまう。 しまったと体を離すよりも先に、勇輝が僅かに体を捩りながら俺の首に腕をかけた。 「止めないで...お願いだから...このまま...して...もっと...もっとして...俺、気持ち良くて...死んじゃうかも......」 その言葉が嘘では無いと表すように、一旦出て行こうとした俺のペニスは粘膜の締め付けに動きを封じられた。 これまでにないほどの快感を味わっているのは勇輝だけではなく...その動きと熱に俺の理性が溶かされていく。 「死なせないけど...死んでもいいってくらいの天国見ようか...二人で......」 強くタイルに押し付ける事で姿勢を保たせ、勇輝の首筋に思いきり歯を立てた。 もっと強くとねだるように、勇輝の手が俺の頭をさらに引き寄せる。 「充彦と天国とかぁ...サイコー......」 フワリと微笑む気配を感じると俺は勇輝の右脚の下に腕を通す。 それを強引に持ち上げピタリと体を寄せると、もうそれ以上は進めないという場所を突破するように強く中を突き上げた。

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