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FACE DOWN【17】

臍の周囲を丹念に舐め、その窪みに舌先をグチュと埋め込む。 細い体にグッと腹筋が浮かび上がるのが、本当にうっとりするほど綺麗だ。 そのしなやかな動きをもっと見ていたくて、ついいつまでも愛撫を続けたくなるけれど、ふと少し前に『臍がよっぽど好きらしい』なんて笑い話のようにみんなに語っていたのを思い出す。 俺は臍が好きなんじゃなくて、充彦の腹筋が好きなんだけど...... もっとも、そんな事を真顔で訴えたところで、おそらく更に爆笑されることになるだろうから敢えて否定はしない。 さてさて、あまりにしつこいとさっきのような反撃にあう事になるだろう。 何せ相手は、俺よりも俺の体を知っている男だ...触れられれば簡単に息なんて上がってしまう。 後でもっと大きくしなる体を堪能できるのだから、今は一旦これくらいにしておこう。 舌を伸ばしたまま、ゆっくりと顔を体ごと下へと進めていく。 俺の胸から喉元へと、まるで凶器が突きつけられるようにそそり立つ充彦のペニス。 それを右手で少しだけずらし、濃いめの下生えを吐息で揺らしながら更に顔を下ろしていく。 指が絡められた事だけで刺激になったのか、人差し指にトロリとヌメる雫が伝い落ちてきた。 それを指先に纏わせ、先端のツルリとした所をクルクルと擽る。 左手ではまだだらりと垂れ下がったままの袋をヤワヤワと揉みしだき、唇でその両手の間をゆっくりと往復した。 ビクンと大袈裟なほどに腰が跳ね、無意識に体を丸めようとする。 力の入った脚の付け根にはキュッと筋が浮かぶ。 それぞれの手の動きはそのまま...けれど絶頂を迎えるほどの刺激にならないように気をつけながら、そのクッキリと浮かび上がった筋に吸い付き、少し強めに歯を立てた。 「っああっ...んっ...勇輝、それ...やだ......」 俺に抱かれた時のような甘えた口調に、俺の熱がますます上がっていく。 『嫌だ』の声は聞かず、何度も何度も位置をずらして噛み痕を残した。 赤い鬱血と、それよりも薄い歯形を『これでもか』というほどに付けた頃には、俺の手の中の物は解放を懇願するようにピクピクと震え、溢れた雫は手首まで伝うほどになっていた。 「勇輝、ほんとやめて...はぁ...ん...それ以上されたら...マジで出そう......」 腕の内側と脚の付け根が隠れた性感帯だとは知っていたが、どうも今日はあまりに反応が良すぎる。 それだけ張り詰めていた気持ちが一気にリラックスしたのか、それともこれ程までに俺を欲してくれているのか。 どちらにしたって、手淫でイカせるつもりなど毛頭無い。 「イクなら、せめて俺の口で...ね?」 「それもやだって。俺はお前の中でイキたいの」 「いいじゃん、たまには。どうせ一回でなんて終わらないでしょ? 俺がフラフラだろうが意識無くなってようが、今日は充彦のザーメン空っぽになるまで付き合うから。俺にも段取りってのがあるんだからさ、一回分くらい付き合ってよ」 充彦の答えを聞く前に俺は右手を根元へと移動させるとそこをしっかりと固定し、すでに真っ赤に膨れ上がったペニスの先端をフワリと唇で覆った。 まずは大きく動かず、口の中で舌先をチロチロと動かす。 裏側を舐め、張り出した傘の周囲にグルリと舌全体を這わせれば、先端の孔からまたトロリと雫が溢れた。 その孔に尖らせた舌を当て、さらにヌメりを求めてツンツンとそれをつつく。 止まらなくなってきた雫と唾液を混ぜ合わせ、口の中にたっぷりと溜めた所で一気に竿の中ほどまでをジュボと飲み込んだ。 本当なら根元まで咥え込みたいのだが、あいにくそれが容易いサイズではない。 頭を大きく上下させ、舌は口内で先端に絡みつかせたまま、唇の端から僅かに垂れた唾液を使って押さえた根元もゆるりと扱く。 やはり先に一度出させる方が良さそうだ...いくらもしないうちに、充彦の顔から首筋までが真っ赤になり、首とペニスにはクッキリと血管が浮かんできた。 どうにか声を漏らすまいとしているのか軽く下唇を噛みながら、それでもその表情はどこか惚けたように力が抜けている。 堪らなくそれが色っぽくて、俺は吸い上げる口の力を強め、根元を擦る動きを大きくした。 無意識なのか、充彦の大きな手が俺の髪を掴み、その腰は中を抉る時のように口内を突き上げてくる。 時々喉の奥に当たり嘔吐きそうになるが、必死に喉を開きそれを受け入れながら、全てを搾り取るような動きを止める事はしなかった。 ...ほんと、珍しい...口の中に出すの、徹底的に嫌がらないとか...... もう射精までそれほど時間はかからないだろう。 俺は口と手の動きを激しくしながら傍らに置いたローションを左手で開ける。 それを片手で押し出し自分の指にしっかりと纏わせると、俺はまだキュッと窄んだままのアナルへその指をゆっくりと差し入れた。

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