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クイーン・ビー・エクスプレス 第7回

「どうも~、クイーン・ビー・エクスプレスも7回目の配信になりました。まだまだ暑い日が続いてますが、皆さん体調崩したりとかしてないでしょうか? みっちゃんです」 「どうも、この間の配信ではちょっと爆弾発言とトンデモ衣装での出演、ほんとに失礼しました、勇輝でーす」 「航生です」 「毎度、慎吾で~す。いやね、せえけど前回のエクスプレス、なんやほんまにえらいことやったよな? あの勇輝くんの発言、実はみっちゃんも知らんかったんちゃうの?」 「......ガチで知らなかった。もうね、驚いたとかなんとかじゃないって。『コイツいきなり何勝手な事言ってんの!?』ってちょっとムカついたもんね」 「そしたら、あの後ケンカとかなれへんかったん?」 「ああ...あー...いや、ケンカは...ねぇ?」 「まあ、ケンカってのは無いかな。話し合いは色々したけど」 「えーっ!? 話し合いだけですか?」 「......ラブラブエッチもたーっぷりしましたが何か?」 「あ、巻き込んじゃった形になったけどさ、航生も慎吾もごめんね」 「ほんまやで。ちょっとねぇ、ファンの皆さんも聞いてくださいよ! 俺らの引退まで決めといて、当の俺らにはあの瞬間までほんまに一言も相談無かってんから!」 「ああいう悪巧みするのはみっちゃんの方だと思ってましたしね。まさか勇輝さんがってほんとビックリですよ」 「悪巧みって、お前人聞きの悪い事言うなよ」 「つかさ、俺は悪巧みしそうだと思ってるわけね?」 「はい、思ってます。当然です!」 「お前、可愛くない。ちょっと表出ろ」 「表に出たらいじめられるから、俺はカメラの前で真実を訴えます!」 「真実の意味がわからんわっ!」 「皆さん、俺はみっちゃんにオモチャにされて苛められてます! 助けてください!」 「うわ、世論を味方につけようとか、お前あざといわぁ。つか、俺がマジで苛めてると思われたらどうすんだよ」 「そこそこマジじゃないですか」 「うわ、生意気~」 「違います。賢く強くなったんです」 「はいはい、いつまでもじゃれないの」 「みっちゃんと航生くんて、ほんまに仲エエよねぇ」 「別に仲良くないわ!」 「俺もささやかな抵抗を試みてるだけで......」 「そのやり取りが仲いいっつってんの。あ、そっちはあの後揉めたりしなかった?」 「揉めるっていうか...正直言うと、俺がちょっと取り乱してもうたというか...情けななったというか......」 「別れ話まで出ましたよ! ほんともう...あんまりいきなりだったから......」 「......はぁ!? 別れ話ぃ!? いやいや、でもちゃんと今一緒にいるじゃん。何、お前らビジネスゲイの仮面カップル?」 「ちゃんと仲直りしただけですっ!」 「その別れ話は慎吾から切り出したの?」 「...ん、まあ...いや、実際航生くんと別れるとか、冷静に考えたら今の俺がそんなんできるわけないねんけど......」 「んじゃ、なんでそんな話......」 「俺ねぇ、航生くんの口からちゃんと将来の夢とか聞いた事なかってん。いや、イベントとかもあったしさ、薄々は感じてたよ? 何となくはわかってたつもり。せえけど、航生くんは俺に何も話せへんかってんな? ま、俺らの付き合ってる期間で言うたらさ、別に珍しい話やないかもわかれへんよ。まだ付き合いだしてから半年も経ってへんねやし。ただね、期間やのうてさぁ、なんて言うたらエエんかな...あのねぇ、密度っちゅうの? 一緒におる時間で言うたら、普通に付き合うてるカップルの2~3年分にはなると思うてんねん。航生くんとの付き合いやったらさぁ、みっちゃんも勇輝くんも、俺とそない長さは変われへんやろ? それやのに二人は何もかも知ってんのに、俺はちゃんと聞かされてもないっていうんがちょっと堪えたって言うんか......」 「俺らの場合は、会った次の日には...ほら、色々あったから......」 「教育的指導とかな?」 「うん、まあほんと色々あって、出会った直後には全部聞いてたからさぁ」 「だからぁ、そんなんもこないだの収録の後で初めて聞いたんやって。あ、教育的指導については知ってたよ」 「そこ、念押ししなくていいですから」 「まあ、そこで初めてさ、航生くんからちゃんと夢とか過去の話とか聞いたわけよ」 「うん、航生の夢の話ってなると、過去の話は避けて通れないもんな」 「そこも聞いてなかったんだ?」 「知らんかったし、想像もしてなかった。ほんで全部聞いてもうたらさ、これは本気で叶えなアカン夢なんやって実感してん」 「そりゃあ、嫌で嫌で仕方なかったゲイビの仕事しながら必死で金貯めてたくらいだからねぇ」 「俺ね、そんな一生懸命な航生くん、俺では支えてあげられへんて思った。ゲイビ辞めろって言われたところで俺にはセックスしかできへんし、こんなんやったらおんなじ夢は見られへんて。せえから航生くんと一緒におったらアカンて思うてん...俺では航生くんの邪魔にしかなれへんのちゃうかって」 「......もうね、みっちゃんに大阪で言われた事、ちょっと実感しました」 「大阪で?」 「慎吾さん、『俺みたいなセックスしか取り柄の無い人間と一緒にいても、きっと不幸になる』とかね、『明るい未来を見てる人に、自分みたいな汚い人間は似合わない』とか言い出しちゃって」 「ああ、そんな感じの話ししたねぇ......」 「んで? 俺も充彦に対しては似たような考え方してた事あるから慎吾の気持ちはすっげえわかるんだけど、結局ちゃんと今でも二人でいるわけじゃない? 一緒にいようって決心ついた?」 「俺、航生くんみたいなちゃんとした夢も無いし、夢見られるような技術も能力も何も無いって言うてん。セックスしか能が無い俺がビデオ辞めたらなんも残れへんて。そしたら航生くん、『夢を一緒に見てくれませんか?』って言うてくれた。『俺の見てる夢を一緒に見てたら、きっと夢が見つかりますよ。それでも見つからなかったら、俺自身を夢にしてください』って。あとね、『大阪で、これからも4人はずっと一緒だって約束したでしょ?』とも言われた」 「俺からしたら、慎吾さんが隣にいないんなら夢なんてどうでもいいって必死でしたから。それに、慎吾さんは自分が言うほど何も無いなんて当然思ってないですし」 「俺もそう思うなぁ。だから話したろ、『夢は勇輝のそばで見つけてもらう』って」 「うん、航生くんと泣きながら散々話して、ようやっと自分でもできる事があるんちゃうかって思うようになれた」 「それから当然仲直りの?」 「エッチしまくりーっ!」 「ああーっ、もう、慎吾さん! せっかくちょっとイイ話で終われそうだったのに!」 「バーカ、慎吾くんのあの話だけで終わったら、お前がただのイイ男で終わるじゃないか。航生は真面目ぶっててもただのエロい人だっていう真実の姿をお伝えしないといけないの!」 「俺は真面目ぶってるんじゃなくて、ちゃんと真面目なんですっ! 頭の中まで下半身で出来てるみっちゃんとは違うんです!」 「お前は俺の頭の中がチンコで出来てるの見たことあんのかよ! どこで見た? いつ見た? 何時何分何十秒?」 「うっわ、レベル低い会話だなぁ...慎吾、お前の夢、こんなんに賭けて大丈夫か?」 「いやいや、勇輝くんにおんなじ質問返すって。しかし、普段はあんなに大人っぽいのに、何で二人になった途端こないガキっぽいことなんねやろ?」 「......結局仲良しだからだろ。もう取り敢えずコイツらほっといて先行こうぜ」 「はいは~い。そしたら次のコーナーでは、HPに寄せられた質問に答えていきたいと思いま~す」

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