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好きだから【6】

軟体動物のような勇輝の舌が、ヌルヌルと俺のアナルの周囲を這い、時折中へチュクと入ってくる。 皺の一つ一つ、襞の隅々まで、まるで数えているかのように丹念に、ゆっくりと蠢く舌先。 むず痒いような感覚に、思わずケツが揺れる。 それが快感なのか不快感なのかもまだよくわからない。 ただ、入り口の周りだけだったはずのムズムズとした感覚が次第にその奥にまで伝わり、息を吐くたびにそれに熱が加わった。 いくらか柔らかくなってきたのか、じきにケツを押し開く勇輝の指に力が入り、更に中まで舌が押し込まれる。 捲れた粘膜に直接ざらりとした舌が触れ、ジンと腰が痺れた。 勇輝は舌で中を犯しながら、時に鼻頭でクイッと会陰を擽る。 そのたびに腰に溜まり始めた鈍い痺れが、徐々に全身に広がっていった。 息は少しずつ荒くなるのに、不思議と体からは力が抜けていく。 ただ、こうして舐められ擽られるのは『快感』なんだと少しずつ頭も体も判断できるようになってきたらしい。 固く閉じていた目を、ゆっくりと開いた。 少しだけ頑張って首を上げ勇輝を見れば、うっとりとしたような、どこか嬉しそうにも見える顔で俺のアナルを一心不乱に舐めている。 「勇輝ぃ...もう、それ...いらない...」 「んもう、恥ずかしいとか言っても止めないって...」 「違う...違うんだってば...もう...中触って...ヤバいんだ...ムズムズすんだって...お前に触られたくてムズムズすんだよ...なぁ...」 少しだけ驚いたように顔を上げる勇輝。 真っ直ぐに見られるのはやっぱり恥ずかしくて、顔を背けて腕で隠す。 足下からは、パチンと乾いたプラスチックの音がした。 「すっごい嬉しいよ...ちゃんと気持ち良くしてあげられてるんだって。入り口もずいぶん柔らかくなってきたから、今度はちょっと指入れさせてね。大丈夫だよ、上手に力抜けてるから...そのままでいて」 いつも使っているローションよりも、少し粘度の高い物を用意したのだろうか。 ボトルを押すたびにブチュブチュといやに卑猥な音が響く。 じきに、濡れた指がそっと奥まった場所へと触れた。 周囲をそっと撫でる動きを感じても、もうそれに俺の体が強張る事はない。 勇輝から与えられる物は快感なのだと、体がようやく理解した。 昔の嫌な記憶よりも、今の...これからの甘い行為を期待している。 勇輝の触れているそこは、俺の意思を表すかのように緩やかな収縮を繰り返していた。 「うん、充彦上手。リラックスして...力抜いたままね...でも、俺の指の動きだけはしっかり意識して...」 ツプと指先が中へと押し込まれる。 けれど勇輝の丁寧な愛撫のおかげか、そこには痛みも不快感も丸っきり無かった。 ローションのヌメりを借りながら、それはゆっくりと奥へと進んでくる。 「っんっ...あ......」 今どれくらい入っているのだろう。 少し進んだところで一旦出ていくと、それはヌメりを増してさらに奥へと進んできた。 「息、詰めないで。ちゃんと充彦のリズムに合わせるから、息吐くときはゆっくり吐ききってね」 俺は頷き、自分の呼吸と勇輝の指先を意識した。 そうだ、普段勇輝を抱く時にだってやってる事じゃないか。 勇輝のゆったりとした呼吸に合わせ中を広げる指を動かす。 息を吐ききった瞬間と吸っている時は、筋肉が僅かに硬くなる。 吐いている時間こそ体の無駄な力が抜けている時で、いつもそのタイミングを測って俺も動いていた。 勇輝も、まさに今そのタイミングを待っているんだろう。 「一気に...突っ込むとか...なしな......」 勇輝の微笑む気配に、もっと体がリラックスしていく。 中に中途半端に入っている指を締め付ける事がないよう、意識してゆっくりと大きな呼吸を繰り返した。 そのたびに勇輝の指はグイと奥を目指し、息を吐ききったところで動きは止まる。 何度も何度も同じ動作を重ね、繰り返し、ようやくそのペースに慣れた頃には、痛みも違和感も無いまま勇輝の綺麗な指をしっかりと根元までくわえ込んでいた。

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