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好きだから【7】
「大丈夫そうだね...」
太股の内側を強めに吸い上げながら、勇輝がゆっくりと俺の中に収まった指を動かす。
「ほら...わかる? 俺の中指、全部入ってるんだよ。入り口じゃなくて、ちょっと奥の方意識してみ?」
入り口は広げるように大きくグルリと指の根元を捻り、奥では擽るように小さく指先をプルプルと震わせる。
言いつけを守るように俺は目を閉じ、その指の動きに意識を向けた。
上手く力を抜くことができているのだろう。
その動きは滑らかだ。
あの綺麗な指が俺の中を緩やかに出入りし、そして内側の粘膜をそっと撫でている。
そして俺の表情の変化も体の変化も、一切見逃すまいと勇輝はじっと見つめているはずだ。
今、どんな顔をしている?
ゆっくりとしか先に進めない俺に呆れてはいないだろうか。
うんざりしてない?
怖々、そっと薄く目を開けてみる。
瞼の隙間から見えた勇輝は初めの頃と変わらず...いや、それよりももっと優しくいやらしく、俺のアナルをじっと見つめていた。
ああ...嫌...じゃないのか...。
そうだよな...俺だってそうだ。
いきり立つ自分のぺニスを持て余しながらも、勇輝が俺を自ら求めてくれるようになるまで丁寧に愛撫を施す事に苦痛なんて感じたことなんてない。
どれほど時間がかかっても、俺の為の体へと変えていく作業は喜びですらあった。
勇輝も同じだろうか。
俺の体を自分仕様に変える事を楽しみ、そして俺が勇輝自身を求めるのを待ってる?
「勇輝...」
俺はしっかりと目を開け、勇輝の名前を呼んでみる。
「どうした?」
勇輝の目が真っ直ぐに俺を捉えた。
その途端、俺の中が大きくうねるような感覚に陥る。
いや、きっと本当にうねっているのだ...俺の中にいる勇輝の指の形をリアルに感じられるほど、強くそこをキュッと締め付ける。
「充彦...急にどうしたの? 俺の指、食いちぎられそうだよ」
「あっ...わか...わかんねぇ...勇輝と目が...合った途端...変...変になった...」
「俺と目が合って?」
その言葉に必死で頷く俺の頭を、勇輝はそっと撫でた。
「じゃあ充彦、そのまま目ぇ逸らさないで俺を見てて。俺もちゃんと見てるからね。指増やすよ...今の充彦なら、もっと気持ちよくなれるから」
ローションを少し足すと、一度中指を入り口近くまで抜き、隣の指を添えてゆっくりと中へとそれを押し戻してくる。
「ちょっとだけ苦しいかな...でも、痛くはないよね?」
焦る様子もなく、その2本の指を押したり戻したりを繰り返す。
ミチミチと強引に粘膜を伸ばされる違和感はあるものの、そこに痛みは無い。
かつては細いアナルバイブですら受け入れる事が苦痛でしかなかったのに。
「ああ、いやらしくてイイ顔...」
感極まったように勇輝が俺の唇を舐めてくる。
俺からもしっかりと舌を伸ばし、さらに強い刺激を求めた。
出した舌がジュルジュルと音を響かせ啜られる。
「ふっ...あぁぁん...」
鼻だけの呼吸が苦しくなり唇を開ければ、自然と息と一緒に漏れるのは自分の物と思えないほどに甘える声。
舌をなぶりながら、勇輝の指は確実に中を拓いていく。
さらにその指はグッと奥へと進み、タマの裏側に勇輝の手のひらが触れた。
「2本目も入っちゃったね...辛くない?」
舌を離し、溢れて垂れた俺の口許の唾液を唇で拭うと、耳元に小さく囁いてくる。
それだけで体がブルッと震え、腰は勇輝の指ごと大きく揺れた。
「気持ちいい?」
「......気持ち...いい...」
「じゃあ、これは?」
中で軽く指を曲げ、俺の腹側を探り始める。
したい事はわかる。
けれど以前そこを刺激された時は、吐き気がしそうなほどに不快だった。
耐えられるだろうか...ここまで受け入れた勇輝のすべてを、一気に拒絶してしまいそうで怖い。
「大丈夫。無理はしないからね。ちゃんとわかってるから」
体のどこかに強張りでも感じたのだろうか。
勇輝は中をゆっくりと探る指の動きはそのままに、そっと体を起こして俺のぺニスを握りしめた。
「うん、見つけた...」
握ったぺニスを扱きながら、中を探っていた指は見つけた前立腺の膨らみにフワフワと軽く触れる。
それは本当に、表面を掠めるだけのような動き。
「あっ...やっ...やめて......」
たったそれだけの事で体のビクつきが止まらなくなり、膝を抱えていた手の力が抜ける。
俺を助けるように、勇輝はぺニスを刺激しながら上げていられなくなってきた脚を肩で支えてくれた。
「ギュウギュウ押したりさ、グチュグチュに弄りまくればいいってもんじゃないのにねぇ...って、そんな事知ってるか。ね? こうやって優しく触ってあげれば、充彦でも気持ちよくなれるでしょ?」
「あぁ...あっ...勇輝...勇輝っ......」
勇輝の穏やかな問いに答える事もできないほど、俺はその愛撫に感じていた。
もう自分の意思では体の中の熱を抑えていられないほどに。
そんな俺の様子を見て、勇輝は中を抉る指を更に増やしてきた。
少しだけ痛い...かもしれない。
けれどそれは受け入れている場所だけの問題で。
3本の指が押し入ってきた奥は、苦しいのにそれが気持ちいいなんてわけのわからない状態になっていた。
もっと激しくしてほしい、もっときつくして、もっと気持ちよくしてほしい。
思わず俺の中を優しく犯す手を掴む。
「辛い? やめようか?」
笑いを含んだような声。
俺がそんな事を望んでいないのがわかっている声だ。
「勇輝...」
「ん? なぁに?」
ああ、そうか...そうだな...俺もよく勇輝にやるわ。
意地悪で言ってるんじゃなく、ただ単純に甘えられたい、求められたいだけなのだ。
俺は、ぺニスを扱いている勇輝の手を取り、それをそっと握った。
「勇輝のが...欲しい...もう入れて...大丈夫だから...もっと気持ちよくして...お願い......」
俺の先走りで濡れた勇輝の指をクチュクチュと口に含む。
まるでフェラチオをしている時のように。
そんな俺に勇輝は嬉しそうに...そして艶かしく自分の唇をペロリと舐めた。
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