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好きだから【8】
「わかってると思うけど、あんまり体に無駄な力入らないようにリラックスしててね。もう膝は持ってなくて大丈夫だから」
そんな風に俺に言い聞かせる勇輝の姿は、なんだかぼんやりとしてはっきりと見えない。
ペリッと聞き慣れた包装を破る音がしたから、おそらくコンドームを着けているんだろう。
ただ今は体が熱い。
勇輝の指の抜かれた俺のアナルは、はしたないと笑われそうなくらいにキュウキュウと不規則な収縮を繰り返した。
足りない...ぽっかりと空洞になったようなそこは、もっと圧倒的な大きさの物で埋められる事を待っている。
はっきりと勇輝を捉えられないまま、俺の視界が更に滲み始めた。
目頭がいやに熱い。
「充彦...充彦! 何? 俺、調子に乗りすぎた? どっか傷つけた? 痛いの? 気分でも悪い? どうしたの...なんで泣いてんの?」
慌てふためく勇輝がちょっとおかしくて、フフと笑いながら自分の顔に触れてみる。
...あ、ほんとだ。俺、泣いてるわ。
勇輝がはっきりと見えなかった理由に納得がいき、ストンと気持ちが落ち着いた。
目許を拭い、勇輝の姿をしっかり確認するとゆるりと腕を伸ばす。
不安げな勇輝が少しだけ顔を覗くように近づいてくれたおかげで、指先が微かにその頬に触れた。
「大丈夫、気持ちいいだけ。勇輝にさ...勇輝に愛されるって...こんな気持ちいいのな。んで、早くもっと欲しいな~んて思ってる自分が、ちょっと恥ずかしくなってるだけだよ」
「ほんとに? 無理してない?」
「してない...まあ、今のところはだけど」
「そっか、良かった。じゃあ、このまま続きとかしても大丈夫そう?」
「お前なぁ...ちゃんと俺の話、聞いてた? 俺は『早く欲しい』っつったんだぞ?」
「んふっ、やだなぁ...確認しただけじゃん。さて...よいしょっと......」
勇輝が俺の腰の下の枕を投げ捨てると、代わりに正座のような格好になって自分の膝の上にその腰を乗せる。
そのまま脚を肩にかけ、俺のアナルとゴムを被せた自分のぺニスへと大量にローションをぶちまけた。
ついでのように俺のぺニスにもタラリとそれを垂らす。
「痛かったり苦しかったりしたら、とりあえず俺の腕でも掴んどいて。我慢できないくらい辛そうなら絶対俺気づくからその時はすぐ止めるけど、耐えられそうだと思ったらそのまま続けるよ?」
「うん、わかった...」
勇輝がそのまま体を倒し、そっとキスしてきた。
俺、案外体柔らかかったんだな...体を半ば強引に半分に折り曲げられながらもさほど苦にならない自分に正直驚きつつ、その温かい唇を受け止める。
時折、ローションでしっかりと濡らされたアナルに、入り口を求めるようにぺニスの先端がコツンコツンと当たってきた。
驚くほど、硬くて熱い。
収まるべき場所を求めているそこは、きっともう辛いほどに膨らみきっているんだろう。
けれど勇輝の動きも表情も変わらない。
俺の体と気持ちをひたすら気にして...ただ大切にしてくれて。
それに応えたいと思う。
単純な性欲を上回るくらいに、体の奥から愛しいという気持ちが溢れてくる。
俺は手を伸ばし、その行き場にさまよう塊に直接触れてみた。
「ガッチガチだ...」
「ん? そりゃあね、充彦が腕の中にいるんだから」
「......萎えてなくて良かったよ」
「もう...まだ言う? 充彦だって俺とエッチしてる最中に萎えた事無いでしょ?」
「そうじゃなくてさ...時間目一杯かけてくれてるから、疲れてんじゃないかって心配だった...」
触れた先端に指を絡めて軽く扱くと、それを自ら俺のアナルへと当てる。
「ありがと、勇輝。いいよ、もう大丈夫だから...奥までコレ、早く入れて」
目の前の喉仏が大きく上下する。
勇輝が一度、『はぁ~』と大きく息を吐いた。
「ヤバい。落ち着けなくなりそう...今日の充彦、すげえ可愛い...」
「さすがに可愛いはやめろよ、似合わないから」
「ん? でも、すごい可愛いよ」
勇輝はゆっくり体を起こし、元の体勢に戻る。
「あ~あ、こんな時カリ高カリ太のチンチンは困りもんだね。もっとちっちゃくて、細~いゴボウみたいだったら、充彦ももっと楽だったのに」
ぺニスの根元をしっかりと握り、ふざけるように前歯を見せてくる。
「大丈夫だよ、見慣れてるし触り慣れてるししゃぶりまくってるから知ってる。それも含めて、バッチリ覚悟できてるから」
俺もニカッと前歯を見せてやった。
もう恐怖心も緊張感も無い。
すべて勇輝に任せていれば大丈夫。
目を合わせ、穏やかに笑い合う。
「できるだけ優しくするよ」
「勇輝がそのつもりなのも...とっくに知ってる」
俺の傍らに着いた勇輝の左腕をしっかりと掴むと、それを合図にするようにぺニスの先がググッと中心に押し付けられた。
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