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男の嗜み?収録再開【3】

『持ち物の話はまあこれくらいにしといて、これまでのお仕事の話とか聞いてもいい?』 「えーっ、ヤダって言っても聞くんでしょ?」 『聞くけども』 「ほらぁ!」 『まあまあ、そういう番組だから諦めて。今まで共演した女優さんで、この人とは体の相性良かったなぁ...って事、あった? ほら、時々男優さんなんかのインタビュー記事とか読んでると、フェラは誰々が上手かったとか感じ方が好みだったなんて書いてあったりするでしょ?』 『あ、そうだ! みっちゃんなんて、女優さんとお付き合いした事あるって言ってた! やっぱり肌が合ったからなの?』 「いやぁ...あのね、もう嫌われる覚悟でぶっちゃけると、これまで女優さんで抜群に相性良かったなんて思った人はいない。付き合ったのもあんまり押せ押せでしつこくて、断るのが面倒になったからだし」 『え、そんな理由?』 「そんな理由...です。いやね、マジで俺は今まで勇輝以外にこんなにのめり込んだ事も無いし、セックス自体が特別好きってわけでもなかったから」 『はいはい...なるほど、好きではないけど得意だったって感じ?』 「いや、得意ってわけでもないですって。向いてたか向いてないかで言えば、男優って仕事は向いてたと思うんですけど、それはたぶん俺が誰にも執着しない、ちょっと冷たい人間だったからなんですよね。執着しないから女優さんにも興味ない、興味ないからこそ常に同じテンションでいい人を演じられるっていうのかな。だからほら、のめり込んで惚れ込んで、生まれて初めて本気の相手ができたら...これですもん。本番もできやしない」 『なるほどね...そういう事なんだ? 勇輝くんも同じ?』 「あ、俺は抜群に相性良かった女優さんいますよ」 『それ、アタシわかる! アリちゃんでしょ、神崎アリちゃん!』 「あ、正解。やっぱりわかりますか?」 『そこはマニアとしてはわかるでしょ。だって、内容はラブラブだったりハードコアだったり色々だけど、二人ともほんとに気持ち良さそうに見えたもん』 「アリちゃんて存在は、俺にとっては特別ですね。勿論体の相性が悪くなかったのもあるけど、何より気が合うんです。彼女ちょっと前に引退しちゃったんですけど、今も親友ですからね。慎吾も航生も本当に良くしてもらってるし。だから相性の良かった女優さんは、断トツでアリちゃんですね。ただ...やっぱりどんな人としても、みっちゃんとのセックスは超えられないんですけど」 『やだ、結局ノロケ? じゃあさ、今二人とも若手では屈指のテクニシャンと呼ばれてるわけじゃない? プライベートでの手の内も全部知ってるお互いを、男優として見た時にはどっちが上手いって思う?』 「へっ?」 「どっちが上手いってかぁ...これは、なかなか難しい質問だなぁ......」 「うん、難しいねぇ......」 『何、それは男優としては自分の方が上だってプライド? それとも、相手の方が上だとは言いたくないプライド?』 「どっちもプライドの話かいっ!」 「えっとぉ....たぶんみっちゃんが難しいって言ってる理由と俺の難しいって理由は同じだと思うんだけど、俺らのセックスって、全然タイプが違うから比べられないと思うんですよ」 『タイプが違う? テクニックにもタイプがあるの?』 「なんて言うのかなぁ...元々持ってるキャラクターの違いだろうと思うんだけど、俺らそれぞれに求められるテクニックが違うから。みっちゃんはね、現場で女優さんと話をしだした途端に愛撫に入ってるっていうのかな...リラックスさせて、ちょっとずつ距離を詰めて指を絡める時からセックスに入ってる感じ。女優さん本人が心から『イキたい』って思えるような、すごく甘い空気が漂ってるんです」 「勇輝の場合は、ラブラブだろうがレイプまがいだろうが、そりゃあもう的確に一番弱い所をピンポイントで攻める感じだよね。気持ちが拒否しようが体の準備ができてなかろうが、絶対にイカせる」 「確かにね、力業的な?」 『あっ、なるほど...それちょっと納得』 『言われてみるとわかるわぁ。恋人とするエッチならみっちゃんみたいなの、願望が叶うなら勇輝くんとのエッチ...みたいに使い分けてるもん』 「......使い分けてるんだ? まあ、何に?とは聞かないけど」 『心の快感と体の快感の違いって事なのかな?』 「極端に言えばそういう事なのかも。でも勇輝だって、ちゃんとラブラブエッチの時には甘い雰囲気作るよ」 「ちょっと昔のだと、みっちゃんも女の子ガンガンに攻めまくって暴力的にイカせたりもしてたよね」 『アタシどれも観てるけど......』 「出た、マニア!」 『うるさいうるさい。勇輝くんのラブラブは、みっちゃんほどの蕩けるような甘さは無いのよ。いや、勿論それはそれでまた違う味わいがあっていいんだけど』 『勇輝くんのラブラブは知ってるけど、みっちゃんのガツガツとかアタシ知らないかも』 『どれくらいだっけな...勇輝くんのデビュー時期くらいまでは、たまにそんなのも出てたよね?』 「ほんと、どんだけ詳しいんですか。そう、ちょうど勇輝がデビューしたくらいが荒っぽい内容のビデオは最後だったと思いますよ。それまでは、マジックミラー号で日本一周ナンパ旅...みたいな企画物にも出てたくらいだし」 『それ、見た!』 「うそっ! 俺でも見たこと無いのに......」 『今度貸してあげようか?』 「わーーーっ! 見なくてよろしい!」 『とにかく! 3Pでもイカせ企画でもそうだったんだけど、みっちゃんだとどうしても甘さが出ちゃうの。勇輝くんの、ちょっと怖くなるくらいの冷静さが無いっていうかなぁ...動きはガンガンなんだけど攻めてるように見えないのよ。まあそれはそれで......』 「違う味わいがある?」 『そうそう。いじわるしながらも気持ちが揺らいでる...みたいな妄想が働く感じ?』 「それ、ビデオの趣旨から外れてるから、男優としてはダメダメじゃないですか」 『気にしないで。この子がマニア過ぎるだけだから。じゃあさ、二人のエッチとかも、やっぱりみっちゃん主導の甘い甘いエッチが多い? 勿論、次の日の撮影の予行演習じゃない時ね』 『ちょっとこの言葉、意味がわからないと思うんで、放送の時説明文入れといてくださいね』 「実際のセックスだと...どうですかねぇ、勇輝さん?」 「甘い事もあるけど、どっちかっていうと力業だよね...もう身体中からありとあらゆる水分が無くなるまでイカされる。もう無理だって言っても、まだイカされる...強制イカせ企画並みに」 「ああ...うん、そこは否定できないかも。いやね、仕事抜きで勇輝のイク顔なんて見たら、何回でも見たくなるんだもん。ちょっと切なげに眉間に皺寄せて、唇が半開きになって視線が定まらないのに必死に俺を探してる感じとか。んで、いきなり力抜けたって途端、フワッと幸せそうに笑うから...つい、よし!もう一回!ってなっちゃう」 『何それ! 幸せなのか地獄なのかわかんないエンドレス?』 「その日は幸せで、次の日の朝が地獄です」 「でも、勇輝って体強いんだよなぁ...もう最近は次の日寝込まなくなったし」 『寝込んじゃうもんなの?』 「俺の場合、男としての快感と女の子と同じような快感とを同時に味わうわけじゃないですか。それでなくても射精って結構体力使うのに、本来は受け入れる機能の無い場所でみっちゃんの無駄に長いの受け入れてるから、やっぱり疲労感は半端じゃないんですよ。それを何回も何回も繰り返すから......」 『みっちゃん、勇輝くんが壊れる...』 「最近は慣れてきてるよな?」 「お前が言うな! まあ...確かに慣れてきたけど」 『それって慣れる物なの?』 「慣れるみたいですよ。あ、いや...馴染んだのかも。入ってる事が当たり前になってきてる...のかな」 『やだ、勇輝くんの顔が赤いっ!』 『もしかして、入ってる時の事思い出した...とか?』 「.........そんなわけない...です」 『勇輝くん、思い出してるーっ!』 『モジモジしてるーっ!』 『うそ、可愛い! またちょっと休憩取ろうか? 楽屋に1時間くらいお籠りしてくる?』 「しませんよっ!」 「1時間じゃ全然満足できないもんな?」 「わーっ! お前まで俺をからかうなーっ! もういいから、はいっ! 次、次。次のお話行きましょう!」

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