『さてさて、じゃあ、一応引退記念てことになるのかな...こないだ発売になった写真集と、最初で最後の二人の絡みアリのＤＶＤのお話を聞きましょうか？』 『あ、アタシちゃんと両方とも予約して、フラゲ気味に発売前日に買ったんだけど......』 「毎度ありがとーございまーす」 『あのＤＶＤって、もしかして本番アリ？　挿入部分が映ってなかったからよくわからなかったんだけど......』 「いやいや、ＤＶＤは本番してないですよ」 『ＤＶＤはって...じゃあ写真集はしてたの！？』 「あ、しまった...変な言い方しちゃったな。写真集でもしてないですよ、本番は」 『なになに、なんなのぉ？　なんかすごく奥歯に物が挟まったような言い方してない？』 『本番は！って部分を強調してるとこがすっごい怪しいよねぇ』 「あー...これって言っていいのかな......」 「いいんじゃない？　ダメならバキュン入るかかカットされるだろうし」 「えっとですね...確か真ん中よりちょっと後ろの方だったと思うんだけど、俺らが二人ともフォーマル着て、それをバーッて脱ぎ捨ててる写真あったでしょ？　覚えてます？」 『あったあった！　てかね、あそこからラストの１ページ前までは、もうビニ本にしなきゃダメだろってくらいイヤらしかった！』 「ビニ本て......」 『んもう、やぁねぇ...これだから昭和生まれは』 『平成生まれは誰も知らないわよ、そんな言葉』 『いいのよ、どうせここには昭和生まれしかいないんだから』 「いや、俺ら平成生まれ......」 『だからいいの！　そこもう突っ込まないで！　それくらいイヤらしかったって事なんだから！　特に、まだ上を全部脱いでない状態でみっちゃんが勇輝くんに襲いかかってる感じの写真とか、あれ良かったぁ』 『あのみっちゃんは、普段のイメージとは全然違ったよね。ちょっと怖いくらいに迫力あって、本当セクシーで獰猛な肉食獣って感じだった』 『勇輝くんも勇輝くんで、すごい挑発的で艶やかで、まさに発情期のケモノって感じじゃなかった？』 『なんかさぁ、部屋のあっちこっちでずっとヤりまくりみたいな退廃的な雰囲気もあって、これみよがしに窓ガラスに白いジュースが飛び散ってたりしてさぁ......』 「あ、いや...だからね、その『これみよがし』な白いジュースなんですけどもぉ......」 「実はあれ、俺のリアルジュースだったり？」 『......えっ？』 「だからぁ、確かに本番こそしてないけど、あの場面て結構本気でお互いを感じさせ合っててですねぇ......」 「俺がちょっと度会先生の挑発に乗っちゃったというか、なんと言うか...『お前の本気を見せてみろ！』『おう、ばっちり見せてやるから下着濡らしながらじっくり見てろ！』みたいな流れになっちゃいまして」 『じゃあもしかして...あのちょっと恥ずかしそうな、でも物凄く気持ち良さそうで幸せそうな顔は.....』 『ガチのイキ顔？』 「......そう」 『えーーーっ！？　全然違う！　ビデオで観るのと、ほんと違う！』 「ね？　マジでメチャクチャ可愛いでしょ？　ちょっと切なそうに眉間に皺を......」 「またその話かよっ！」 「そりゃあもう、いくらでも自慢しちゃうっての。ビデオのさ、人に見せる為のセックスの射精の時とはほんとに全然違うんだって。無防備で蕩けそうで、でもまだ少しだけ自分を矜持しようって気持ちが残ってて。あの撮影では兜合わせと素股だけだったんだけど、一瞬ガチで突っ込んでやろうかと思ったもんね。本気で攻めて、グズグズに溶かしておねだりさせたくなったんだけど...そんな勇輝を俺以外が見るの嫌だからそこは我慢した」 『いやーん、グズグズに溶けてる勇輝くんとか、なんか信じられない』 『それ見てみたかったぁ......』 「まあまあ、あの顔はずっと俺一人だけの宝物って事で」 『そんな特別な宝物持ってるのはみっちゃんだけ？』 「俺もちゃんと宝物持ってますよ。予行演習の遊びみたいなセックスじゃなく、心から本気で俺を欲しがってる時のみっちゃんの表情はあんなもんじゃないから。もっとイヤらしくてもっと男らしくて、でも目の奥が本当に優しくて...その顔見てるだけでイキそうになる」 『そ、それも見たい...ちょっとみっちゃん、やって！』 「そんなもん、むーりー。勇輝が俺の腕の中で喘いでてくれなきゃ」 『じゃあ勇輝くん、そこで喘いで！』 「えー！？　みっちゃんが俺の事ガンガン攻めてくれないと無理でしょ」 『仕方ない...誰かちょっと、ここにダブルベッド持ち込んで！』 「どこまでやる気ですかぁ。いくら言われてもやりませんよ？」 「そうそう。そこは俺ら二人だけの宝物なんで」 『はいはい、諦めましょ～』 『あ、そうそう。写真集と言えばやっぱり触れておきたいのは和風ＳＭでしょ』 『じゃあ、次はちょっとそのＳＭ風写真について教えていただきましょうか』